QKの短編集

ページ ページ34

目が覚めると、真っ白な天井だ。あの泥臭い匂いのしない場所。薬の匂いが強くて尚且つアルコールの匂いもちょっとある。日が程よく当たって気持ちいい。

izw「…起きた？」

右横には、読書をしていた伊沢さんがいた。逆光で、あまり表情は見えないがそれもまたかっこいい。

ini「…ええ、お陰様で」

パタリ。本を閉じこちらを見つめている。
そういえば、メディア露出の多い伊沢さんが、仕事をせずになぜここにいるのか。そういう疑問が頭に浮かぶ。思い切って質問してみた。

izw「６時間に1回、空いてるメンバーが見舞いに来てたんだ。たまたま空いてたから今俺がいるって感じだね」
ini「そうだったんですね…」
izw「…病み上がりの乾には申し訳ないけど、多分体調が良くなってから警察の方から話があると思うんだ。あの時、なにがあったのかを教えて欲しい」

ああそっか、俺完全に被害者だったんだっけ。

ini「…今はちょっと、話せないかもです」
izw「そうだよな…ごめん、言える時に教えて欲しい。ゆっくり俺たちは待つから。乾の味方は俺らだから」

優しい声掛けに、何かが頬をつたる。

izw「また、クイズしような」
ini「…ええ。楽しみです」

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