QKの短編集

夢の話 ページ23

ああ、また仕事でミスをしてしまった。
動画が終わったあと真っ暗になる時間があったり、カットしている所に不自然なノイズをつけてしまったり…、最近ミスばっかりだ。

fkr「もう、今週で何回目？」
ini「…すみません」
fkr「質問に答えて欲しい」

苦しくて仕方がない。失敗ばっかりしてる自分が醜い。

izw「まぁまぁ、福良さんもそこまでに」

伊沢さんが止めに入る。中立的存在かもしれない。
しかし小声でこう言われる。

izw「次はないよ」

背筋が凍った気がした。伊沢さんと福良さんが立ち去った後も俺はそこに立ち尽くしていた。

周りのライターからすごい視線で見られる。
渡辺さんからちょっと来て欲しい、という合図を送られる。
また、お説教？

wtnb「乾」
ini「…はい」
wtnb「このまま失敗ばかりだと俺のメンツが腐る。俺が乾を連れてきたんだから自然と俺まで評価が下がる。」
ini「…はい」
wtnb「完璧を求めてるわけじゃない。普通のでいいから失敗しないで欲しい。」
ini「わかり、ました」

くるしい

自然と涙が溢れ出る。
迷惑かけて、ばっかり。

ああ、なんでだ？

*

「えっ、伊沢さんCEO降りるって？」

電車に乗っていると何処かしらからそんな声が聞こえた。
女子高生だろうか

「うん、クイズもやめて身を潜めるらしい」
「なんでだろう？」
「最近ライターさんとの間でゴタゴタがあったらしい。あ、でも悪いのはそのライターさんだって」
「まぁそうだよね」

多分、俺のことだろう。俺は…みんなに迷惑をかけてばっかりだ。

もうこんな思いはしたくない。もういっその事…

ini「飛び降りる…か」


オフィスに着き、誰もいない部屋へ移動する。人1人が十分通れる窓があるのはここぐらいだ。

窓に足をかけ、決心する。

ini「最後の最後まで誰も気にかけてくれなかったな…はは」

風が強い。地面まであと1メートル

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