何も言わずに抱きしめて ページ49
美「全部アンタが仕組んだんでしょ！？
お金取られた恨みがあったとしてもこんな仕打ちあんまりじゃない！！
ご丁寧に仲間まで呼んで！」
美月さんが何か叫んでいるけど、何を言われているのか分からない
美月さんは釘崎さんを押しのけてさらに捲し立てる
美「やっぱりお父さんの言う通り出所知れない尻軽女の子供のアンタは碌な人間じゃないわ…
アンタみたいな人間生まれて来たこと自体が間違いだったのよ！！
アンタと姉妹だなんて願い下げよ！！」
釘「アンタちょっと黙りなさい！」
釘崎さんに頭を打たれた事によりヒステリックさに磨きがかかったように叫び続ける美月さん
美月さんに言われたことを何度か頭の中で反復されて少しずつ脳内で何を言われているのか処理ができてくる
つまり、私は美月さんに少しも家族だと思われてなくて
ただのお金を持ってくるだけの都合のいい存在だっただけ
体に上手く力が入らなくて口が半開きになるのにも気がつかないほど呆然としてしまう
脳が言われたことを拒否しているのか、それとも樹齢の攻撃のせいか
どっちが上でどっちが下なのか分からない無重力空間にいるかのような感覚
やがて私は美月さんとお父さんから家族とは見られてないことが分かる
お母さんが死んじゃって、寂しくて、色の無い寒い世界に生きていた私がやっと会えた家族に浮き足立っていた先の拒絶
その探し求めてた人に拒絶され指先が冷たくなって震えていく
「ーい、ぜーーーしっーーろ！」
私の体から私が出て行ってしまう
私は結局どこまでいっても一人なんだ
家族に会えて期待しちゃって、寂しかったから見切られたくなくてお金持ってって
美月さんを通じていつかあの思い出の中にいる優しいお父さんにも会えるんじゃないかなって
『私、何で生きてるんだっけ』
そう呟いたのと同時に涙が溢れ始める
あれ、おかしいなぁ、お母さんが死んじゃった時も涙なんて出なかったのに
拭っても拭っても指から溢れ出る涙
やだ、止まってよ涙、伏黒さんも釘崎さんも見てるんだから
びっくりさせちゃうじゃん、心配かけちゃうじゃん
何とか止めたくて手のひらでゴシゴシと擦っていた手を不意に大きな手に掴まれる
そのままグイ、と引っ張られ掴まれた手はそのままにもう片方の手を背中に回される
視界にチラチラ写る尖った黒髪
恵「･･･」
ああ私、抱きしめられてるんだ
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ばちょふ(プロフ) - ゆいさん» うぇいありがとうございます！その言葉が凄く嬉しいです！！ (2021年4月12日 0時) (
レス) id: cb6f8d48f0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 1日の終わりにこのお話を読むのが日課になってます！毎日このお話の更新を楽しみに生きてるんです！ (2021年4月9日 0時) (レス) id: b3ee7b3f07 (このIDを非表示/違反報告)
ばちょふ(プロフ) - ハルチャさん» ありがとうございます！褒めないでください、私が調子に乗って踊りながら更新し始めちゃいますよ笑 (2021年4月6日 1時) (レス) id: cb6f8d48f0 (このIDを非表示/違反報告)
ハルチャ(プロフ) - 更新される度に真っ先にワクワクしながら読んでいます！！執筆頑張ってください！！楽しみにしています！ (2021年4月3日 15時) (レス) id: 5180ecc88d (このIDを非表示/違反報告)
ばちょふ(プロフ) - connyさん» そう言ってくれるconnyさんが好きです…！ (2021年3月30日 16時) (レス) id: cb6f8d48f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばちょふ | 作成日時：2021年3月13日 4時
