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イナホ達の夜中苦労話 ページ20

重々しく、柔らかい大和男性の声。

その言葉がわかったのか、黒鬼は頭を下げて去って行った。

イナホは、今起こったことが呑み込めずにいた。


ただ、目の前にいる真紅と黒の袴をはおり、堂々と勇ましく立ち続ける妖怪は

イナホをここへと呼び寄せた者に違いなかった。


イナホが驚いている間、軽い口調でUSAピョンは礼を言った。


「ありがとダニ!ユーのおかげで助かったダニ」


続けて、イナホも人見知りを発症させながら礼を言った。


「あ・・あの、私からも有難うです・・・」


「えっと・・・」


その妖怪を、どう呼べばいいのか、イナホは名前を知らないので困っていた。


そこで、ため息を一つついてその妖怪は言った。









「鬼蜘蛛だ。」



「そなたはイナホだな。

 何回も鬼時間に来る阿呆だと鬼時間では有名だ。」


「え!?そうなんですか?

 鬼時間で有名なのは嬉しいんですが、理由がひどくないですか」


「仕方あるまい。大抵の者は一度来ると反省して二度と来ることは無い。

 学習能力のない阿呆、ということだな。」


すっかりなじんだイナホは、イナホをいじった後の鬼蜘蛛の顔を見て

「人と話すのは、いや、対等の立場で話すのは久々なんだな」

と、薄々勘づいた。

鬼蜘蛛は、たまりにたまった話題をイナホにぶっつけた。

イナホは、独特の会話スキルで、その会話に乗っていた。


一通り話し終わったところで、鬼蜘蛛はため息をついた。

「吾輩にも、何故この鬼時間に住むことになったのかは

 いまだにわからん。だが、吾輩の会いたいものが居るのでな。

 そのものが少しのいたずらでもかまして

 この鬼時間に呼ばれることを望んで待っておるのかもしれんな。

 吾輩は、力量には自信があるが


 ・・・・あいつが居ないと、弱も同然なのだな。」


少し顔をうつむけて言う姿は、寂しげで悲しげだった。


そこでイナホは、とんでもない地雷話を口にした。


「弱くないですよ、鬼蜘蛛さんの会いたいAさんって知ってますし

 ・・・・あ!

 鬼蜘蛛さんってもしかして

 Aさんの兄弟子さんですか!?」

 

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いんあ - ミサキ@さん» ありがとうございます!試してみようと思います! (2016年12月24日 7時) (レス) id: 46f35f08ac (このIDを非表示/違反報告)
いんあ - M猫さん» 読みました!すごくドキドキして、続きが気になりました!そちらも、更新頑張ってくださいね! (2016年12月24日 7時) (レス) id: 46f35f08ac (このIDを非表示/違反報告)
ミサキ@(プロフ) - すみません、『』←これは関係ないです (2016年12月23日 17時) (レス) id: 3ad9e7bd58 (このIDを非表示/違反報告)
ミサキ@(プロフ) - 情報ですよ〜!URLの貼り方は()←これの中に『link:作品のタイトル(または“こちら”等):http://〜』と書いたら表示されます!更新頑張ってください! (2016年12月23日 17時) (レス) id: 3ad9e7bd58 (このIDを非表示/違反報告)
M猫(プロフ) - いんあさん» リクエスト作品が完成いたしました!いんあ様の方の作品も楽しみにしております♪(#^.^#) (2016年12月19日 22時) (レス) id: 638963ddf8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いんあ | 作者ホームページ:http://http://  
作成日時:2016年11月19日 20時

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