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最初は、こんなんやなかった。普通にお付き合いしとった。亮から告白してきてくれて、キスも、デートも、それ以上の事も何度もやってきた。いつやったかな、変わってもーたの。まぁ僕は亮が変わったなんて思うてないけど
嫉妬深い、これは前から知ってたこと。僕が大倉とかと話してると不安そうな顔するし、言葉にはしてないけど掴んでくる腕の力はとても強かったから相当嫉妬してたと思う。最初は、ほんまにこれだけやった。
一緒に亮の家で住み始めて初めて僕がOFFやった日。亮は朝早くから仕事やったから僕が起きた時にはもうおらんかった。何しよう思いながら起きたら、足に違和感を感じた。僕の右足には足枷と鎖が付いとった。玄関先までは行けるけど、それ以上は動けへん様な長さ。流石にこれは可笑しい思うて帰ってきた亮を問い詰めた。その時、初めて殴られた。めっちゃ痛かった。めっちゃ泣いて、叫んで、やめてって何度も言った。痛みを感じなくなって、亮を見るとぐちゃぐちゃな顔でカッター持ってごめんって何度も呟いてた。そして自分で自分を傷つけようとした。
｢やめろや！亮！｣
｢やって、俺、しょーちゃんのこと、俺｣
｢…流石に最初はちょっと可笑しい思うたで？殴られた時、亮に愛されてないおもうた｣
｢ちがう！俺は、章ちゃんが必要やねん！しょうちゃんがおらな、あかんねん。章ちゃんやないといややねん。でも、おれ、あのドラマみたいになってまう。章ちゃんのこと幸せにできひんよ、なぁおれはどうしたらええの…｣
僕の前で、イケメンな顔を歪ませてぐちゃぐちゃに泣いてる亮をみたとき、この顔を独り占めしたい。そんな独占欲が湧いてきた。この子を離したない。それに亮が僕じゃないとあかんって言った時、誰かに必要とされている、存在価値がある。これってこんなに嬉しいことなんやな。
｢なぁ亮。ちゃんと聞いてな。僕は、亮から離れへんよ｣
｢ほんまなん…？やって俺、章ちゃんのこと…｣
｢もう謝らんといて。亮が大好きやねん、僕は。だから亮になにされてもええよ。僕は亮がおらなあかんの。僕は、大丈夫やから。そのままの亮でおって。死んだら嫌や。死ぬ時まで、一緒やから｣
｢しょうちゃぁ…う、あぅグスッ｣
｢りょーは泣き虫やなぁ｣
さんざん泣いた亮はその後すぐ寝てもうた。腕に出来たあざを見て、殴られたことを実感する。けど、メンバーに相談したり、別れたりとかはなんにも考えなかった。亮とおれればそれで構わない。そう思った
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作者名：谷崎 澪 | 作成日時：2017年8月24日 19時
