生意気なアイツと人嫌いなアンタ【越前リョーマ】 (ページ9)

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5話ページ9

猫を見送ってすぐ近くで聞き覚えのある声が聞こえてきた

「･･･れ？いつもより･･････もらったの？」

『この声って越前の？』

そう言えば教室に居なかったことを思い出し、ちょっとした好奇心で桜の木の裏側を除いてみるとそこには

『(猫好きなの？)･･･意外』

「っ!?･･･A」

猫缶らしきものを白猫にあげている越前リョーマの姿があった
小さく呟いた私の声が聞こえてしまったのか、驚いたようにこっちを見て溜息を一つ

白猫は私の顔を見ると先ほどのように近づいて、足元にすり寄ってきた

「もしかしてソイツに飯やった？」

『え、うん。越前のペット？』

「違う。昼寝してたら懐かれてこうやってたまにエサやってるだけ」

『そうなんだ、じゃあ私はこれで』

「今戻ったらまた質問攻めにあうんじゃない？ソイツも懐いてるっぽいしもう少しココにいたら？」

特に用事もないため立ち去ろうとすると、越前から思いもよらない言葉が返ってきた
越前の言っていることは一理あり、何より猫と一緒にいたいという気持ちが勝ったため大人しく白猫を膝に乗せて座った

お互い無言だったが不思議と居心地は悪くなかった
猫の頭を撫でていると猫と越前から同時に欠伸が出た

「俺寝るから起こしてくんない」

『もしかしてそのために私を残したの？』

「さぁね。じゃ、おやすみA」

『ちょっと･･････はぁ』

文句の一つでも行ってやろうと思ったが、当の本人は既に夢の世界へと旅立ってしまったらしい
膝にいる白猫も気持ちよさそうに寝ているため、ここを動くわけにはいかない

越前はきっと確信犯だと思いつつも、私は1人と1匹の寝顔を交互に見て楽しんでいたのだった

自分が昼寝できなかったことを理由に、ギリギリに起こして越前を焦らせたことはまた別の話