生意気なアイツと人嫌いなアンタ【越前リョーマ】 (ページ6)

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3話ページ6

学校に無事に間に合ったのは良かったけれど、私は息が完全に上がっていた

『まっ･･･にあっ･･･たぁ』

「･･･はぁ、本当に付いて来れるとは思わなかったけどね」

『はっ･･･こっちこそ･･･本当に置いて行かれそうになるとは思わなかったわよ』

連れて来てくれたのは感謝しているが、その人は全くペースを落とさずここまで走ってきたのだ
少しでも足を緩めると差は広がり、私は置いてけぼりを食らっていただろう

初対面で確かに優しくする義理はないだろが、ここまで親切心が薄いことに少しだけ苛立ち睨むとまた生意気な台詞と顔が返ってきた

「連れて来たんだから感謝しなよ」

『･･･ありがとうございました。ついでに職員室までお願いします』

その人の言葉は正しかったので素直にお礼を言い、ついでにお願いしてみると意外にも連れて行ってくれた
･･･返事はなく、歩き始めたその人の後を付いて行っただけなのだが

職員室に辿り着くと、ドアの目の前にはピンク色のジャージを着たお婆ぁ･･･先生が立っていた

「リョーマじゃないか。どうしたんだい？」

「別に･･･俺はこれで」

『あ、ありがとうございました』

「･･･ん」

もう一度お礼を言うと今度は返事が返ってきた
そのままその人はおそらく自分の教室に向かったのだろう

「お前さんは？もしかして転校生かい？」

ピンク色のジャージの先生は竜崎先生と言い、テニス部の顧問をしているらしい
あのリョーマがねぇ…と意味の分からないことをぼやいていたが、あの人のAは越前リョーマという情報だけを聞き取り無視した

そのまま私の担任の先生らしき人のところまで連れて行ってくれ、やっと私は一息吐けたのだった