越前side･･･ ページ16
6限目は体育で女子はテニスで男子はサッカーらしい
どうせなら男子もテニスにしてくれたらいいのに…
内心そう思いながらも、体を動かせるのは何だかんだ嬉しいから堀尾達と真面目にサッカーをしていた
堀尾はダンクシュートとか意味不明なことを叫びながら外してるけど
テニスコートを見ると、Aがテニスをしているのが目に入った
相手は竜崎みたいだけど、Aの実力は相当なものだとすぐに分かった
「アイツ･･･テニス経験者？」
見惚れるほど綺麗なフォーム、竜崎の打ち返しやすい場所に的確に返す
あそこまで正確に打てるなんて、
「へぇー！Aのやつめっちゃテニスうめぇじゃん！」
「本当だ、上手だね」
「うん、もしかして堀尾君よりも上手かも」
いつの間にか堀尾達も見に来ていて、なんとなく堀尾達がAのことを話しているのが気に入らなくて、
「イテッ!?何すんだよ越前！」
「まだまだだね」
堀尾にサッカーボールを当てていた
どうしてこんな気持ちになるのかわからないまま、俺は授業終わりにアイツを問い詰めることを決めてサッカーを再開した
授業終わり
Aにテニスのことを聞こうとコートに向かうと、何やら竜崎と話していた
話の内容までは聞こえなかったが、どんどん竜崎の顔が青ざめていくのが分かった
『ごめん。私と仲良くなんてならない方がいいよ』
そう言い残してAは何処かへ走って行ってしまった
・・・とても辛そうに顔を歪めて
「(どういうこと？仲良くならない方がいいって･･･？)」
俺に気が付いた竜崎が慌てて何かを言っているが、全く内容が入ってこなくてアイツの顔が頭から離れずにいた
なんであんなつらそうな顔するわけ？
俺とも関わるの嫌なわけ？
なんで･･･泣きそうな顔をするの？
アイツに出会ってから俺は可笑しい
今まで他人に興味なんてそんななかった
けど、アイツの事は何故か気になる
知りたい･･･"A A"を
アンタが何を抱えているのかを
アンタが関わりたくないって思ってる事なんて俺には関係ないね
どうしてこう思うのかまだ分かんないけど、、、
よく分からない感情を抱えたまま、俺はアイツの後を追いかけていた
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作者名：アキラ | 作成日時：2018年9月1日 21時
