検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:3,673 hit

10話 ページ15

本日最後の授業は体育のテニス
テニスは好きだ・・・でもやりたくない

思い出してしまうから
テニスが楽しいってことも、悲しいことも

しかし、サボるわけにはいかないため着替えてテニスコートへ

隣のサッカーコートでは男子がサッカーをしているらしく、女子が騒いでいるのが視界に入る
大方、越前をしているのを観戦しているのだろう

先生が騒いでいる女子たちを注意してこっちもテニスを始める
私のペアになった子は、竜崎桜乃という子でテニス部らしい


「よ、よろしくね?Aちゃん」

『よろしく』


"女の子"
これが彼女に対する第一印象だった
綺麗な長い髪に、控えめな性格で守ってあげたくなるような感じ、まさに女の子だった

竜崎さんはお世辞でもテニスが上手とは言えなかったけど、一生懸命なのは伝わってきていい子だと思った
久しぶりにするテニスはやってて楽しかった

授業終わりに彼女が少し聞きにくそうに尋ねて来た


「ねぇ、Aちゃんは」

『なに?』

「リョーマ君のことが好きなの?」

『は?』

「いや、いつも授業中とか楽しそうに話してるから、そうなのかなって」


ああ、なるほど
彼女は越前のことが好きなんだ
あまり経験のない私でも、すぐに分かった

そういう目で見たことがないと、素直に告げると安心したように微笑んでさらに話しかけてきた


「よかったぁ・・・Aちゃん、友達になってくれないかな」


ヤバい
そう感じた時にはすでに脳内を記憶に支配され

それを振り払うように私は冷たく言葉を発していた


『あのさ、もし私が越前を好きなら友達にならないの?』

 "Aは親友だから協力してくれるよね?"


「えっ?」


『私が好きって言ったら諦めてた?それとも邪魔する?』
 
 "協力するって言ったのにどうして彼と仲良くしてるの?"


「そんなこと、」



こんなこと言うつもりなかったのに

友達だったあの子の声が頭に響いてフラッシュバックする


『人に聞いてる暇があるなら自分で行動すれば?』
 
 "テニスが1番なんて嘘だったんだ"


「それはっ」


『貴方の問題に私を巻き込まないで』

 "・・・・・・裏切者!"



そこまで言って彼女が心底驚いて動揺しているのに気がついた


『っごめん。私とは仲良くなしない方がいいよ』

「っ・・・」


テニスをするとやっぱり思い出す、前の学校での出来事
それはまるで、私にテニスをするなと言っているよう




その光景を越前が見てたなんて思いもしなかった

越前side・・・→←9話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
11人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:アキラ | 作成日時:2018年9月1日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。