生意気なアイツと人嫌いなアンタ【越前リョーマ】 (ページ14)

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9話ページ14

それから昼休みになると隣のアイツはさっさと先に行ってしまったようだ

私も弁当を持って中庭に向かう
その足取りは昨日よりも軽かった

ニャァ

『昨日ぶりね、猫ちゃん』

中庭に着くと越前と白猫が昨日と同じ場所で寛いでいた
白猫は私の足元にすり寄って挨拶したあと、胡坐をかいている越前の膝の上へと戻っていった

「遅かったじゃん」

『･･･先生につかまってた』

そう。来る途中に担任から部活は決まったかという催促がきたのだ
運動部にしようと思っていたが、どの部活も人とかかわるのは避けられない
かと言って、音楽や美術センスは全くないためどうしたものかと頭を悩ませていた

「ふーん、なんで」

『越前には関係ないでしょ』

そうそっけなく返し私は自分の弁当を広げた
それを見た白猫はまたおかずを分けてもらおうと思ったのか、私の傍へとやって来た

『また欲しいの？はい』

私は焼き魚の一部を骨を丁寧に取り除いて白猫に食べさせてあげた
この魚はもともと猫に分けようと思っていたため、味付けを薄めにわざわざ作ってきたものだった

白猫は気に入ったのか、すぐに食べ終えて毛づくろいを始めていた

「一口もらい」

『なっ!?』

「へぇ、美味いじゃん」

『そりゃどうも。っていうか越前は自分の弁当があるでしょ』

「和食の方が好きなんだよね。もしかしてこれAが作ったの？」

『･･･だったら悪い？』

「･･･人は見かけによらないね」

酷い言われ様に、どういう意味だと軽く叩いて文句を言えば、越前は"本当のことでしょ"と何故か上から目線で楽しそうに言った

この後、一通り弁当を食べながら言い争って、昨日と同じように白猫と越前は昼寝を始めてしまった
昨日と違う事と言えば、

"10分前には起こして"

という注文が増えたくらいだ