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キヨくんは本来なら殴りたいはずの俺に頭を下げて、お願いだからと何度も言った。



俺は頭がおかしくなりそうだった。
こんな事なら殴られた方が百倍マシだ。
誰に聞いたってキヨくんは悪くない、そうみんなが言うだろう、なのに頭を下げてお願いしているのはキヨくんの方で。



俺は次第に出す言葉を失っていった。





「お願い、もう会わないで…」









「…………分かった」





そう、言うしかなかった。
俺は言ったあとに自分の口から出た言葉だと気付いた。全然納得なんかしてない、俺はAちゃんが大好きで…


でも目の前で泣くキヨくんを見ていると。どう考えたって俺が悪いわけで


最初からわかっていたはずなのに




「最後にAちゃんと話させて、」




キヨくんは俺の返事にありがとう、分かった。と言うと少しだけ笑顔を見せ静かに家を出た。

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作者名:アキラ | 作成日時:2021年7月19日 12時

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