【ky】こんな結末、当たり前だ。【rtrt】 (ページ11)

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rtrt side

涙を流すAちゃんにもう一度キスを落とす。

『だ、めです、私は必死に諦めようと』

「しらん、そんなん俺はもう無理や」

弱々しく抵抗するが本気ではやめさせようとしないAちゃんに何度もキスをした。
その時だけはキヨくんの事なんてこれっぽっちも頭になかった。

『レトさん…私…』

「ごめん、Aちゃんは悪ないから、俺が悪い」

Aちゃんはキヨくんを想って俺を諦めようとしていた訳だ、俺もキヨくんとAちゃんの事を考えて断る。それが普通のこと。

でも出来んかった、触れたいって思ってしまった。

キヨくんの大事な彼女やのに。

『ごめんなさい、私が変な事言ったせいで…』

「Aちゃんが言わんかったら、俺が言ってたかもな」

と苦笑いをすると、Aちゃんは悲しそうな顔をした。

「なぁ、抱きしめてもええ？」

無言のAちゃんは黙ったまま、こくりと頷いた。
優しく抱き締めるとAちゃんも背中に手を回してくれた。

幸せな時間に浸っていると突然着信音が部屋に響いた。
Aちゃんは我に返ったように俺から離れると携帯を見た。

『キヨくん、です…』

「で、でてええよ」
　

『…すみません』

というと立ち上がり、玄関の方へ行った。

すぐ戻ってきたAちゃんは

『すみません、キヨくんもう家みたいで、私がいないから電話したみたいです』

と言った。2人は半同棲みたいな形で、Aちゃんはほぼキヨくんの家にいる事が多いらしい。前にキヨくんが「ちょっとずつAを俺の家に移行させて、そのまま一緒に住みたい」なんて言ってたっけ。

「え？あ、打ち合わせは？」

『なんか早く終わったらしくて…すみません、今日はもう帰りますね、ありがとうございました』

そそくさと帰ろうとするAちゃんの手を咄嗟に掴み、また会える？と聞くと小さい声ではい、とだけ返ってきた。