[刀ミュ]その視界に[つはもの]

31話 ページ43

「え、えーと」




どうしよ、


私、もしかしなくても告白されてる？いやされた？


まさかこんな直球で来られるなんて思ってもいなかった。


てか告白の返答ってなんて言えばいいの？お返事？


ひとまず今はダメだ。洸との事もあるし、
何より稽古中。バレたらマネージャーに超叱られる。


えーと、えーと、落ち着け不知火A！



「千秋楽」


ポツリ、とこんがらがった脳からようやく一言絞り出す。


「つはものの、千秋楽まで、返事、待ってくれませんか・・・」



今の私、顔から火が出るんじゃないかってレベルには顔が赤いと思う。



「っ、ふふっ・・・あはっはは！」



うわびっくりした。

宏規くんはいきなり笑い出したかと思うと、目尻の涙をぬぐいながら私を見て優しく笑った。


「う、 もう、笑いすぎ。涙出てるよ」



「ふふっ、だってさぁ、はー笑った、
・・・ほんと、可愛いなぁ。」



可愛い。

ほら、またさらっとそういう事言う。


無意識に私の心を揺さぶってくる。


「うん、わかった。千秋楽までね。



それまでに俺、Aの事振り向かせて見せるから。」






覚悟してろよ。







そう耳元で囁く姿は、私の知らない宏規くん。

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