好き、嫌い、好き 3 (ページ9)

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……き、気まずい……。

どうしよう…って思ってると、

｢えっ、何してるの2人して。｣

お義父さんとお義母さんまで現れちゃったっ…！

『あ、あのっ…』

すると翔太は車から降りてきた。

パッと見、チャラくも見える翔太。
そんな男を見て、お義父さんもお義母さんも
びっくりしている。

｢こんな形で挨拶になってすみません。彩さんとお付き合いさせてもらってる渡辺翔太と言います。｣

その言葉にお義母さんは
キラキラした目に変化した。

え、お義母さんわかりやすい！

｢まぁ！今流行りの塩顔イケメンじゃない！彩やるわねー！｣

なんて言いながら私の肩をバシバシ叩く。

が、残りの男たちを見ると
明らかに翔太を睨んでいる！

お義母さん！修羅場です！
はしゃいでる場合じゃない！

｢翔太くんもよかったら一緒にランチしましょ！｣

『はぁ？！』
｢えっ……？｣
｢母さん！何言ってんの？！｣
｢おっ、おい！お前！｣

私、翔太、郁人くん、お義父さんの反応が普通。

だがその上を行くお義母さん。

｢せっかく会えたんだもん！私もっと喋りたい！！｣

なんて可愛く言いながら翔太の腕を引っ張って
いこーよー！なんて子供のように言っている。

そうだった、この人無邪気だった…。

私は思わず頭を抱える。
郁人くんもお義父さんも同じ感じ。

｢あ、あの、お邪魔じゃなければ参加したいんですけど…。｣
｢邪魔じゃないよ！あ、男たちはほっといて。くだらない嫉妬だから！｣
｢あ、あはは、あの車だけ置いてきていいですか？｣
｢うん！待ってるね！｣

なんて言って明るく翔太を見送っている。

何だこの展開は…。

｢とりあえず中で待ちましょ？｣
なんて言って、私の背中を押すお義母さん。

男たちふたりは諦めたように着いてくる。

『お、お義母さんっ…。』
｢いい彼氏ね。｣
『えっ……？』
｢こんな天気だから、わざわざ送ってくれたんでしょ？｣
『……うん。』
｢ふふ、素敵な人に想われるような娘に育って嬉しいよ。ありがとね、彩。｣

お義母さんの言葉にちょっと泣きそう。
郁人くんもお義父さんもその言葉を聞いて
少し表情が和らいだ。

テーブルにつくと、すぐにきた翔太。

｢すいません、こんな格好で…。しかも突然で。｣

ちゃんとみんなに謝ってて。
むしろ私がゴメンなんだけどな…。

『翔太は悪くないよ。ごめんね？』
｢いや、ちゃんと挨拶はしたかったから。ありがたいよ。｣

小さく笑う翔太に、
3人とも優しく笑ってくれた。