好き、嫌い、好き 3 (ページ48)

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.......どう答えるのが正解かは
やっぱり分からなくて、
でも今の私に言えるのは
これだけだった。

ごめんね、涼太。

『まだ、翔太にもちゃんと話せてないから。話せてから、聞いて欲しい。最初に私の口から言うのは、翔太じゃないと、ダメなんだと思うから。』

私の言葉に、少し寂しそうにしながら
でも、どこか理解してくれた目で

「うん、わかった。じゃあ、ちゃんと元気になってから話そう。きっと翔太は聞いてくれるから。」

私の頭を軽く撫でてた。

いつもと違う撫で方だったけど、
やっぱり涼太の手は優しくて
どこかほっとした。

そして、涼太の作ってくれたお粥は
本当に優しくて美味しくて、
私のイメージの涼太の味だった。

嬉しかった。

お粥をお茶碗半分くらい食べると
涼太が解熱剤を渡してきてくれて。

それもなんとか飲み込むと、
涼太はベッドに誘導してくれた。

その音に気づいた阿部くんが
そっと目を開いた。

「あ、ごめん、阿部起こしちゃった。」

「いや......大丈夫だけど。彩？少し落ち着いた？」

『うん、大丈夫だよ。ありがとう。阿部くんもそこのクローゼットの中に客間布団あるから出して寝てね。ここだと痛いから。』

「.......人の心配より自分の心配。」

ムスッとした顔で私のおでこを軽く叩く
阿部くんの手がすこしひんやりしてて。

『でも、阿部くんが風邪ひいたら困る。私看病できないもん。』

「僕は男の子、君女の子。おっけー？」

『.......はーい。』

「うん、わかればいい。ほら、もう少し寝な。そしたら絶対今よりよくなってるから。」

そう言って頭を撫でる阿部くんの手が
どこか居心地良くて、私はそっと
目を閉じていった。

明日、少しでも元気になって

覚悟を決めて
翔太に会いに行こう。

そう心に決めて。