好き、嫌い、好き 3 (ページ45)

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side 涼太

彩のつらそうな顔見てたら
今すぐにでも目黒に文句言いたくなった。

彩に何してくれてるの？

ほんと、納得いかない。

「館さん、顔怖い。」

苦笑いしながら俺に水を差し出すふっか。

ふっかも納得は言ってないだろうけど、
俺よりは冷静で.......。

「なんでそんな冷静なの？」
俺の言葉にふっかは
うーんと考えながらこう答えた。

「彩は良くも悪くも人に優しいでしょ。いきなり自分が思ってなかったことされたら落ち込むじゃない。」

「そうだね、そんでそれをしたのが目黒でしょ？」

「でも！俺は目黒の気持ち分からないでもない。あんなにスキがあるんだよ.......。キスのひとつふたつ、してしまうと思うよ。」

彩は自分が愛される人じゃないと
思ってるとこがある。

あんなに愛されてるのに
なんで？と思うけど。

根本的に愛されるわけないとでも
思ってる感じは俺にも伝わってる。

だこらこそ、油断してるとこは
確かにあると思う。

だからって、何してもいいわけじゃない。

「彩のその性格を知っていて、目黒はなにかしたの？もしそうなら、俺はそれが許せないよ。」

俺の言葉にそれもわかるけど.......
と呟くふっか。

すると、彩の部屋に行っていた阿部が
帰ってきた。

「相変わらずだね、彩は。自分のことしか責めないね。」

「え、なんで？」

「何があったかは言わないけど。あの感じならキスされたとかそんなじゃない。」

ヤッたとかそんな感じじゃない。
ってサラッと言う阿部。
それを聞いて、なるほど、と呟くふっか。

あぁ、彩にキスとか、
ほんと何してくれてるの目黒。

彩.......今すぐ頭を撫でてやりたい。

しんどかったなって。
大丈夫だよって。

好きな女の悲しむ顔みたいのかよって。

俺はきっと怒った顔をしてる。

こんな顔、彩に見せられないよな。