好き、嫌い、好き 3 (ページ5)

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ご飯を食べ終えて、
いつも通り洗い物は翔太。

洗い物を終える頃に
翔太に飲み物を出す。

『また水でいいの？』
｢うん、水がいいな。｣
『じゃあ置いておくね。』

二人がけのソファには私は座らない。

でも、今日からは並んで
座ってもいいのかなぁ。なんて。

でも、うーん、なんて悩んでると

｢何一人で百面相してんの？｣

ケラケラと笑いながら戻る翔太。

『あ、いやなんでもない。洗い物ありがとう。』

と翔太をソファに誘導する。

｢彩も、おいで。｣

座ってるから私を見上げてて。

上目遣いの翔太にドキッと胸を鳴らす。

私がおずおずと隣に座れば、
手をぎゅっと握る。

｢あー、と、んー……｣
なんて、次は翔太が百面相。

『どした？』
｢いや、あのさ。…まあやることやってる2人ではある訳ですが。｣
『…あ、はい。』

あ、その話か。

｢彩がしたくないときにしようとか、前から思ってたわけではないんだけど…。うん、やるときはやるけど、ってなんか言葉変だな。｣

一生懸命話そうとはしてるけど
内容が内容だから、
翔太はどこかドギマギしている。

｢まぁ、だから…さ、ちゃんと外でデートしたり。なんでもない日でも一緒にいたり、したいなって思うんですよ。｣
『……はい。』

そしてそれに釣られて
私まで変な感じに。

｢これから恋人みたいなことたくさんしたい。いいかな？｣
『うん、私も。翔太とたくさん思い出作りたい。』

私の言葉に嬉しそうに
｢ありがとう。｣
そう言って、キスを落とした。

前みたいに押し付けるようなキスじゃなくて
優しく触れて慈しむようなキス。

｢……なんか、照れるな。｣
『ふふ…そうだね。』

照れた顔を隠すように私を抱きしめる。

｢……じゃあ、今日は帰るな。｣
『あ、うん。』

ちょっと拍子抜け。
あんな話するからしたいのかと思ったけど
違ったらしい。

翔太なりのケジメかな？
そういう気持ちは単純に嬉しい。

｢玄関まで来なくてもいいのに。｣
『…ちゃんとまたね、ってここで言いたいの。』

私の言葉に、ふはっ、って小さく笑う。

｢ありがとう。｣
『……ううん。私がしたいだけ。』
｢別れがたくなるもんだな。やっぱり。｣

翔太が下を向いて頭をかく。
私は下から掬うように翔太にキスをした。

顔真っ赤な私たち。

｢と、とりあえず帰る！｣
『う、うん！気をつけて！』

またね、って玄関で手を振りあって
扉が閉まると、私はズルズルと座り込む。

私の初めての彼氏はとても可愛い人です。