好き、嫌い、好き 3 (ページ39)

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side 康二

彩ちゃんからのLINE。

え、蓮が風邪？

てかなんでその連絡が彩ちゃんから？

……なんとなく、嫌な予感がした。

俺は蓮の家に歩いていった。

ピンポーン。
呼び鈴を出しても出てこない。

鍵……開いてるし！
物騒やんか！！

「蓮ー？入るで？」

そう言いながら、何度が来てる蓮の自室へ。

部屋に入ると、蹲る蓮。

「蓮……？」

俺が呼びかけると顔を上げる。

涙でぐちゃぐちゃ。

駆け寄って、蓮の肩を撫でる。
ものすごく熱い…。

「蓮、泣いたら余計熱上がるから落ち着こ？」

「……彩？」

「うん、LINEくれたんよ。」

「ほんと、あいつはバカだよな。俺のことなんてほっとけばいいのに。」

「……そんなん出来るわけないやん。彩ちゃんやもん。」

俺の言葉に、そうだったわ。って
自嘲したような笑いをして。
布団に横になっていった蓮。

「何があったか、聞かないの？」

声がガラガラやで、蓮。

「風邪治ったら聞くわ。今は話すより寝る方が先や。」

「……キスした。」

「は？？」

「彩に無理やり、キスした。」

……おいおい。

「俺がそれ聞いたらすんごい怒るの分かっとるよな？」

「……怒られて当然なことしたから。」

「後悔しとるん？」

「俺のことなんとも思ってないのが分かったから、腹たってキスした。その時はそれでいいと思ったけど…今は苦しい。」

好きな人を振り向かせたいって
その気持ちはわかる。

二人きりになったら、余計に。

だから、彩ちゃんに頼らんと
俺に頼ればよかったんやない？

きっと、そんなのもう全部分かってたんよね。

弱い自分を見せてしまうくらい
好きになってしまったんよね。

「蓮、あかんよ、無理にキスしたら。」

「随分優しい言い方。」

「風邪治ってからお説教や。」

「ははっ、覚悟しとかなきゃ。」

力なく笑う蓮の頭を撫でてやると、
力がふっと抜けていくのがわかる。

「少し寝とき。俺ここおるから。」

「康二、ごめん。彩……傷つけて。」

「傷つけたことは許さん。でも、彩ちゃんなら許せって言うから。俺は許す。やから、今はちゃんと元気になり。」

目がゆっくり瞑られていく。

涙を一筋こぼして。

蓮の気持ち、わかる。

やけどさ、こうなるのは
やっぱり嬉しくはない。

蓮のアホ。
彩ちゃんのアンポンタン。

好きな人たちが
傷ついてるのなんて
誰も見たくない。

けど、傷つけあうのが、
人、なんよね……。