好き、嫌い、好き 3 (ページ37)

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side 蓮

しばらくしたら
体温計も見つかったみたいで
俺の熱を測ってくれる彩。

『.....38度……。』

さんじゅーはちど、って高いんだよね？←

『蓮、今寒い？』

「いや、暑い……。」

『おけ、あとは下がるだけだね。』

そう言いながら、俺のおでこに
冷たいシートを貼ってくれた。

「……つめた……。」

『少し気持ちいいでしょ？』

「うん、ありがとう…。」

『何か食べた？』

「いや、まだだけど、食べたくなくて…。」

『ゼリーとアイス、どっちがいい？』

「…………アイス。」

俺がそう言うと少し優しく笑って

『うん、ちょうどいい溶け具合』

そう言って見せてくれたアイスは
吸い出すバニラアイス。
具合悪い時、これ嬉しいよね。

俺が大人しく吸いながら
食べていると、
薬買ってきてくれてあるみたい。

水と薬を取り出してくれてる。

『お、えらい。全部吸えたね。』

ポンポンと俺の頭を叩く。

……母ちゃんかお前は。

あ、そうか。

俺の事息子みたいに思ってんだわ
この人。

なんか一気に解答が見えた気がして。

でも、俺は息子みたいに
思われたくねえんだって、
そう思ってしまった。

冷静な時な俺、
今すぐ帰ってこい。

俺はもう目の前の女を、
大好きな女を手に入れたいって
気持ちだけが溢れ出てた。

親友たちの顔も、
その女の彼氏の顔も、

その女が俺を大事そうに
優しくする姿も

全部消えていった。

「彩、看病してよ。」

『？え、今してるつもりなんだけど。とりあえず、薬飲もう？』

「薬いらないからさ。」

俺は彩の腕を引っ張った。

そして、俺の上に乗るようにわざと
仕掛けた。

「彩が、俺の風邪もらってよ。」

『ちょっ！……目黒蓮、なに、いってんの？』

彩が咋に動揺した。
そんな彩の頭を押し込んで。

俺は彩に無理やり口付けをした。

罪悪感？

そんなもの、クソ喰らえだ。

俺はこの女を俺のものにしたい。

欲望に染った、情けない獣なんだ。