好き、嫌い、好き 3 (ページ33)

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Side 涼太

目黒まで彩推しになった。
っていう佐久間の言葉を借りよう。

「彩推しってどの程度の？」
俺が聞くとふっかは
うーーん。と、うなりながら
「彼氏が翔太って分かってても気持ち隠さないって決めたんだから、それなりに真剣じゃないかなって思うよ。」

確かに。
まぁでも目黒は今までの過程を
全部知ってるわけではないから、
翔太に勝てる要素はないんじゃ？

俺は翔太に安心させる目的もあり
それをオブラートに包んで伝えた。

「俺もそう思うな。」
って佐久間や阿部も頷いてて。
隣にいる翔太は少し嬉しそう。

「心配なのはさ。」

照が徐に話し出す。

「あいつ、高校でめちゃくちゃだったんだよ。ある意味女慣れしてるし。そういうのを駆使して彩ちゃんに迫ってこないかなって思っちゃうんだよ。」

話を聞けば目黒は同じ高校だっていう。
俺ら全然知らなかった。

彩も知らなかったって言ってたらしい。

「まぁそんな技使って迫ってくるんなら追っ払うけどさ。でも、本当に好きならそれはしないんじゃない？前例に俺みたいのもいるし。」

確かに。
ふっかは女遊び激しかったもんな。
今やすっかり落ち着いて。
絶賛彼女募集中！なんて言ってるらしいけど。

「照が言ってるのは女と遊びながらってことだけじゃなくて、それなりに女慣れしてるってのは彩をうまく落とす術？みたいなの持ってるんじゃないかってことじゃない？照みたいに彼女に無我夢中になってひたすら追いかけるみたいなんじゃなくて。」

と、照を若干いじりながら言う阿部。
それに気づいて唇を尖らせながら
そうだけどさぁ、なんて呟く。

「まぁ俺もそんな感じだったから。....女慣れって部分は確かにあるのかもな。彩への好意気づいてない時から、さりげなく触れたりしてたしなあいつ。」

その時を思い出したのか、
グラスを持つ手に力が入る翔太。

まぁまぁ、落ち着きなさいよ。
という意味を込めて、翔太の肩を叩く。

「彩は相変わらず鈍感だから何も気づいてないんでしょ？」
「そう、それなんだよな·····。」

ふっかは一応忠告はしたらしいけど、
どうやらちゃんと伝わってないらしい。

「かと言って気持ち言っちゃうのもね。」

佐久間がふぅ、とため息をついて言う。

勝手に人の気持ちを話すのはダメだよな
っていうのは共通認識。

「とりあえず、彩の異変、目黒の異変に気づいたらちゃんと翔太に報告しよう。」

俺がそう言うとみんな頷いてた。

仲間って揃うと暖かいんだな。