好き、嫌い、好き 3 (ページ4)

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カフェを後にする私と翔太とラウ。

なぜか私たちの手を握るラウ。

｢なぁ、ラウ？これ他の人から邪魔じゃね？｣

3人で手を繋いでるし
かなり場所をとってると思う。

翔太がそう言うと

｢だって！姉御ともしょっぴとも手を繋ぎたいんだもん♪｣

ってご機嫌に返すラウ。

『駅までだから。あと少しだ頑張れ翔太。』

気恥しいんだろう翔太は
少し顔が赤い。

｢ふふ♪俺たち親子みたーい！｣

その言葉に2人で吹き出す。

｢ないない！｣
『こんなでかい子供産めないわ！』
｢いや、突っ込むとこそこじゃねえ！｣
『だって私の体からコレが出てきたらホラーだよ！』
｢姉御！コレってなに？！｣

やいやい言い合いながら駅に着くと、

｢ごめんね、駅まで送らせちゃって。｣
『いやいや、康二に頼まれたしね。』
｢康二くんって俺に過保護なんだよね。めめもだけど。｣

弟気質なところがあるラウだから
みんな可愛くて仕方ないんだろうな。

｢まぁ上手く使うからいいけど♪｣

え、こわ←

じゃあねー！
と無邪気に手を振るラウ。

｢……二個下こわ。｣
『……それな。』

2人でふはって笑いながら、

｢夕飯どうする？｣
という翔太の言葉に、
私は勇気を出して誘うことにした。

『うちで食べる？』

私の言葉に
小さくえっと呟く。

｢……っと、いいの、か？｣
『は、はい。もちろん。』

どこかぎこちなく
2人で私の家へ向かう。

いつも座るソファに
腰を下ろす翔太。

いつもより小さく見える。

どうやら緊張しているらしい。

『翔太、水でよかった？』
｢お、おう！水でもなんでも！飲めるものなら！｣

声も上ずってるし。
思わず吹き出す私。
失礼なと口を尖らす翔太。

『何も取って食うわけじゃないから落ち着いて。』
｢ばっ！！そういうのって男のセリフだからな！｣

はいはい、と言いながらキッチンへ。

30分後、夕飯を作り終えて持っていくと
ソファで寝息を立てる翔太。

安心したような顔をしてて
可愛いな、って思う。

頬をつんつん、とつつくと
うっとうしそうに｢うーん…｣と唸る。

ふふふ、って思わず笑うと

｢おい、なんだよ…。｣

って起きて文句を言う翔太。

『可愛かったから？』
｢……嬉しくねえわばか。｣

そう言いながら赤い顔。
ほんと照れ屋さん。

｢いい匂いする。｣
『うん、できたよ。食べよ。』

二人並んで食べる夕飯。
ちょっとの緊張と暖かい空気に
私たちは頬が緩みっぱなし。

これからも、そんな2人でいようね。