好き、嫌い、好き 3 (ページ28)

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大阪に2泊3日して
私たちは今日地元へ帰る。

まぁ私の本来の地元はここなんだろうけど。

でもやっぱり今の私の地元は
みんながいるあの場所だ。

「お土産買うの？」
『買うよ！涼太にもふっかにも阿部くんにもさっくんにも！』
「おお、そこは絶対なんだな。」
『あ、朱音にも買わないと。それなら照くんと二人分でいいかね？』

私の言葉にちょっと怪訝そうな顔。

『なんか変な事言った？』
「照に直接渡すの？」
『いやいやいや、朱音に渡すんだよ。』

二人で食べてねーって渡すつもりだった。

朱音とはあの気まずい水族館以来
LINEでしか話してないけれども。
でも直接話したいし、
会える口実ができた。うん。

「照のこと、もう気にしてないの？」
『いや、うーん。可愛い後輩であるとか、親友の彼氏であるとは思ってるけど....。』

恋愛感情とかは今やすっかりなくなった。
でもそれって、翔太がいるからなんだよな。

翔太が今までずっと傍にいてくれて
それが恋愛的な意味で大事にしてくれてる
っていう安心感。

自分がちゃんとしっかり向き合えば
こんな素敵な人いないな、
とも思えるというか。うん。

言葉にすると安直になりそうで
あんまり言えないけど。

『翔太くんがいるので、私はほかの人見てる余裕ないんですよ。知ってます？』
「.......ならいいんだよ。」

耳を赤くしながら、あ、これ美味そう。
なんて呟く翔太が心から愛しく思える。

『あ、康二はこっち来てるからあれだけどラウと蓮にも買った方がいいかな？』

私があれこれ見ながらそう言うと

「一応康二にも買ってやりなさい。」

ふははって、笑いながら答える翔太。

「そういや、目黒に会ってるの？」
『いや、カフェに2人で行った時から全然会わない。大学で見かけることはあるけど見知らぬ子といるから声掛けるのもなぁって思って掛けてないんだよね。』
「ふーん？珍しいな。ラウと康二とは会ってるのに。」
『なんだろね？嫌われたかな。』
「.......逆だわばか。」
『ん？なに？』

翔太の言葉がよく聞こえなくて、聞き返すけど
なんでもねえよって言って

「早く会計しようぜ。新幹線来ちゃうし。」
『あっ！そうだね！』

慌てて会計に向かう私の後ろで

「自覚がねぇと何があっても文句は言えないんだよ、彩。」

そう呟いてたなんて
私は本当に知らなかったんだよ。