好き、嫌い、好き 3 (ページ24)

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翔太と康二に手を繋がれ
指定されたお店に入る。

大阪に自分がいるっていうのも
信じられないのに、
幼なじみたちにまた
逢いに来てるっていうのも
なかなか不思議だ。

｢……彩？！ぜんっぜん変わらんやん！｣

ケラケラと大きい声で
カウンターに立つ男の人。

『……りゅー、、たくん。』
｢うん、久しぶりやな、彩。｣
『……っ、うんっ……。いきなり消えてごめんね。』
｢昔のことは忘れることにしとるんで。まあとりあえず座りや。今日は貸切やからな！｣
『えっ！なんで？』
｢彩、大阪へようこそパーティーやからや！｣
『いや、あの、センスどこに……』
｢うおぉい！失礼やぞ！｣

見た目はすっかりヤンキーのように
なってしまったけど←
優しいお兄ちゃんのような眼差しは
変わらないなあ。

さぁさぁと
席に案内されると、

｢お前は彩やな。｣
『え、あ、はい。』
｢で、これは康二。｣
｢龍太くん！これって酷い！｣
｢で？｣
『え？』
｢このイケメンは？｣
｢翔太くんやで！彩ちゃんの彼氏や！｣

龍太くんと康二の喋りのスピードに
ついていけず、置いてけぼりの翔太。

｢あ、渡辺翔太です。｣
｢……彩に彼氏やと？！｣

あまりに大きい声に
耳がキーーンってなります龍太さん。

｢そうかあ！俺は彩の幼なじみ？って言えばいいんかな。室龍太言います！よろしくな。｣
そう言って翔太と握手。
ブンブンって音が鳴りそうな程に
振り回す。
翔太の腕取れちゃうよ！

｢よ、よろしくお願いします。｣
翔太さん苦笑い。
気持ちはわかります。

そんなとき、店のドアが勢いよく開くと

｢龍太くん！彩ちゃんどこ？！｣

元気な声が聞こえる。

｢おー、来たか。こっちやで。｣

バタバタ走る音。
一斉に顔を見せる4人。

｢彩ちゃん！なんでそんな変わらんの？！不老不死なん？！｣
｢わぁ、、彩ちゃんやあ。久しぶりやなあ。｣
｢彩ちゃんっっっ！俺覚えてる？！大橋やで！｣
｢もう！はっすんうるさい！彩ちゃん固まってる！｣

……変わらない。
大人になったんだろうけど、
全然変わらない。

『…大吾、よしくん、和也、流星。久しぶりやね。』

私の言葉に
和也は突然飛び込んできた。

『うぉ？！』
｢彩ちゃんんん！会いたかったよおおお！｣

うわんうわん泣き声をあげる和也。

慰めるように背中をなでる。

『突然来てごめんね。私もみんなに会いたかったよ。』

堪えきれず、私も泣いた。

翔太が優しくぶっきらぼうに
頭を撫でるから、余計に泣けた。