好き、嫌い、好き 3 (ページ19)

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side 涼太

朝、
たくさんのアニメキャラで溢れた部屋で
目が覚める。

ふっと隣を見たら
佐久間も同じく床で寝ていて。

大分迷惑かけたなぁなんて思って。
お礼に料理を作ってから帰ろうかな。

って思って冷蔵庫開けたら
なーーんもない。
あ、こいつカフェで働いてるくせに
自炊してないな笑

確かに佐久間はホールしかいないしなぁ。

なんて思いながら
佐久間が掛けてくれたんだろう
ネルシャツに袖を通し、
コンビニへ向かった。

必要な材料を調達し、
佐久間の家に戻る。

鍵も閉めずにごめんなさいなんて
心で謝りながら
俺は朝食を作り始める。

すると、ベッドから

｢は？！えっ？！｣

なんて声が聞こえる。

あ、阿部が起きたんだな。

｢阿部おはよう。｣
｢えっ、館さん？……え、昨日俺やらかした？｣
｢たまにはいいじゃない。佐久間もそう言ってたよ。｣

俺がそう言うと照れくさそうな顔をして
眠ってる佐久間の鼻をつまむ。

佐久間はフガッ！って情けない豚鼻をしながら
また眠っていた。

｢……寝てるし。｣
｢こらこら、俺らの恩人いじめないの。｣

俺の言葉に、ある程度事態を把握したのか
｢ありがとう。｣
って小さい声で佐久間に伝える阿部。

こいつって、もっと分かりにくいと思ったけど
ちゃんとわかってんだな、って思いながら
出来上がった朝食をテーブルに置く。

時間はもうAM8:00

｢阿部、佐久間叩き起して。｣
｢了解、ママ。｣
｢なんだよそれ。｣
｢勝手なイメージ？｣

そう応えながら
佐久間を何度も叩く阿部。

渋々起きた佐久間。

そんな光景に思わず笑ってしまう。

｢館さんもそんなふうに笑うんだね。｣
｢涼太笑うと可愛いな。｣

なんて2人に褒められて、柄にもなく照れて。

｢いいから！早く食べなさい！！｣

わざとらしく、大きい声で言う。

2人は美味しい美味しいと食べてくれた。

洗い物は阿部がしてくれて
2人で泊めてもらったお礼をしたと思う。

そしたら佐久間が言った。

｢あ、ねぇ、これから週一でうちね？｣
｢｢は？！｣｣
｢お泊まり会、楽しかったから♪｣

ふふふーん♪なんて鼻歌しながら
佐久間に言われて、
俺と阿部は目を合わせて笑った。

佐久間に癒された俺は、彩が
『さっくんは癒し系だよ！あんなにみんなをちゃんと見てる人いないよ！』
って力説してたのは間違いじゃなかったな。
なんて思う。

2人がいてくれて、本当によかった。