好き、嫌い、好き (ページ38)

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蓮に大人しく家の前まで
送られることにしたPM5:00。

｢そういえば。｣
『なに？』
｢最近は蓮呼び増えた。｣
『あー、なんか自然と言ってるかも。』

そもそも目黒蓮って呼んでたのは
初めて会った時に蓮が、

｢蓮でも、目黒でも、目黒蓮でもお好きに。｣

って言ったから。

じゃあ目黒蓮で！
って言った時のこいつマジかって顔
私は忘れられない。

それを思い出して
なんとなく笑ってしまう。

｢思い出し笑いとかキモイ。｣
『目黒蓮って呼ばれた時の蓮の顔の方がなかなか面白かったけどね』

私がそう言うと、

｢ほんとにそう言うと思わないだろ普通。｣

なんて拗ねる。

ほんとに色んな表情を
見せてくれるようになったもんだなあ。

『まあ自然と蓮って呼べるってことはそれだけ近づいたのかもね。』

おっとかっこいい事言っちゃった。
これは、からかわれるような気がするぞ。

｢そうかもね。｣

あら、珍しく素直。

｢なあ。｣
『なに？』
｢またグラタン作って。｣
『もちろん。いつでも。』

そう私が言うと優しく笑う。

ほんと笑顔はあどけない。
素直に可愛いと思う。

絶対言ってやらないけど。

｢んじゃ、また。｣
『うん、ありがとう送ってくれて。』
｢……なあ。｣
『ん？』

｢いや、なんでもない。ちゃんと鍵閉めろよ。｣

そう言って踵を返した蓮。
……気になるけど、追いかけていいやら。

可愛い後輩との帰り道は
思いがけず、楽しかった。

ありがとう、蓮。