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『目黒蓮、どうしたの……？』
私は掴まれた腕を気にしながら
足の長い蓮に必死について歩いていた。
｢…ちんたら歩いてるから誘導してる。｣
『え、えっとごめんね？』
｢なんで謝る。｣
『いや、悪かったかなと思って。』
蓮の顔を覗き込むと、眉間にシワが。
怒って…るのかな？
『なんかごめんね。気を遣わせてる？』
｢何に気を使うのこんなちび女に。｣
そう言うけど、意味もなくこんなこと
するやつじゃない。
見た目の割に繊細なやつだし、
私の腕を引いてるのもなんか理由が
あるような気がした。
まあ、絶対素直には答えないだろうけど。
それでこそ目黒蓮とも思う。
駅に着くと、
目黒蓮が飲み物を買って
渡してくれる。
私の好きな缶コーヒー。
覚えててくれてるんだなあ。
ほんと、可愛いやつ。
｢俺の歩幅で辛くなかった？｣
『あ、うん、それは平気だよ。』
と言いつつちょっと息は上がってるけど。
｢このまま真っ直ぐ帰るの？｣
『うん、明日は朝から講義あるしね。』
｢そっか。家まで送るわ。｣
え、家？
『いや、蓮うちより手前で降りるでしょ。』
最寄り駅はここからなら
蓮の家の方が近い。
｢俺が気になるから送る。｣
な、なんなんだ？
まだ明るい時間なのに。
はっ！
私誘拐されそうとかそんなこと？！
持ち運びにはピッタリかもだけど！
一応成人した大人なんだけど！
｢……お前。｣
『おいおい目黒蓮。私一応年上…。』
｢男がお前をチラチラ見てるの自覚ねえの？｣
はい？
キョロキョロ周りを見渡せば
確かに見てる人もいるし、
慌てて逸らしてる人もいる。
『あー、この格好似合ってないのかな。』
｢馬鹿なの？｣
馬鹿とは？！
『相変わらず失礼だぞ目黒蓮！』
｢自分が男にどんな目で見られてるかちゃんと考えた方がいいよ。｣
自覚がないと何が起きても
文句言えない。
そう目黒蓮に言われた。
自覚……男に見られてる自覚？
男に男友達扱いされることなら
あるけど……。
あっ、ふっか……
ふっかは、ちゃんと気持ち伝えてくれた。
1日経てば嬉しいなって気持ちも
少しずつ増えていく。
好かれるってのは悪くないなって思う。
ずっと片思いばっかりしてきたから
思われるのって、自分のことを
肯定してもらったようで嬉しいし。
『…自覚かあ。』
｢…彩は口開かなきゃ可愛いんだから。見た目だけで男が寄ってくるぞ。｣
……なんだと。
『相変わらず、ディスるか褒めるかどっちかにして。』
｢無理、諦めろ。｣
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作者名：SNOWSNOW
| 作成日時：2019年9月12日 0時
