検索窓
今日:6 hit、昨日:6 hit、合計:157,303 hit

19 ページ20

照くんに高校生の時に言われた
「ポニーテールが1番似合う。」
まあ、冷静に考えればわかる事なんだよ。

だって、好きでもないただの知人を
褒めた言葉なんて誰も覚えてないじゃない。

私はそれを素直に受け止めて、
好きな人の言葉だから、
忘れられなかっただけなんだよね。

一瞬悲しかったけど、
すぐにそう思えた。
そして、あーいつまで
こんな不毛な恋をしてるんだろう
とさえ思った。

そういう悲しさはいつもあったのに
今日は急に胸にズン、ときた。

そう思ってる時に阿部くんの一言

「女心がわかってない男だから仕方ないよ」

女心というか、
朱音にしか興味が無いって
ことなんだと思うけどなあ。

その言葉に
「なんだよそれ。」
って唇を尖らす照くん。

私はすぐに
『照くんは朱音を大事にすればいいんだから、朱音の心だけ分かってればいいんだよ!』

さっきふっかにやったみたいに
強めに背中を叩いた。

「けほっ!彩ちゃん見かけによらず強い!」

そう言って大笑いする。

あー、やっぱ私の好きな笑顔。
見れるだけ幸せ。
……そんなわけ、ないけど
今は幸せ。ありがとう、照くん。


「全く……ほら、講義間に合わなくない?」
時計を見ながら言う阿部くんの言葉に、
やばい!!と、一斉に4人で走り出した。

『うわっ!』
男の人には勝てるわけもなく
足がもつれた時、私の手を取ってくれたのは
阿部くんだった。

『あ……ごめんっ。』
「今はそんなのいいから。走るよ、彩。」


阿部くんに初めて、彩、って
呼ばれて、ドキッとした。

普段の阿部くんからは
想像できない必死な顔に

ドキドキが止まらなかったのは

きっと気のせいだよね。

20→←18



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (78 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
278人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:SNOWSNOW | 作成日時:2019年9月12日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。