好き、嫌い、好き (ページ18)

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PM1:00

翔太は10時くらいに
｢その髪維持しとけよ！｣
なんて言って帰っていった

鏡で自分を見ても
似合ってないことは無かったけど、
なんか違和感がある感じで。

そう思いながら翔太との約束だし
そのままにして最寄り駅に向かった。

その道の途中、
｢え…彩？｣

呼ばれた方へ振り向くと、
『あれ、ふっか！体大丈夫？』

私がそう声をかけると、
ふっかは慌てている。

『どしたの？』
｢髪切ったの？似合ってるけどさ。｣
『あー…これ？違うよ。ボブに見せてるだけだよ。』

そう、翔太がやったのは
髪の毛を巻きながらボブに見える
アレンジヘア。

｢そ、そうなのか…。女の子ってすごいな。｣

まぁやったのは男の人ですが。

『気分転換にいいかなって。』
｢なるほどね。似合ってる。｣
『ほんと？やったね♪』
｢俺は今くらいの髪型が似合うと思うよ。｣
『そうなの？あんまり切ったことないんだよね。』
｢今度切る事あったらご検討を。｣
『はーい。要検討しまーす。』

そう言うと、ふふっと笑っていたのに
急に真剣な顔になったふっか。

｢彩、昨日はごめんな。｣
『え、私何もされてないよ？』
｢かっこ悪いとこ、見せたし。｣

俯きながら答えるふっかに
可愛いな、
なんて見当違いなことを思う私。

『酔っ払うことなんて誰でもあるよ。これから気をつければいいだけだよ！』

ふっかに元気を出して欲しくて、
ふっかの背中をわざと強めに叩く。

｢いった！…もう、加減知らないんだから。でも、ありがとね、彩。ほんと気をつけるわ。｣
『ふふっ、うん、それでいいんだよ～。あ、ふっかもこれから行くの？大学。』
｢うん、彩もなの？駅まで一緒に行こうよ。｣
『うん！いこいこ！』

そんな会話を2人でしていると

｢ふっか？｣

あ、この声は

｢あー、照。昨日は悪かったな。｣

やっぱり照くんだ。

｢ほんとだよー心配したんだよ？｣

そして阿部くんも一緒だ。

照くんと阿部くんは学部同じだから
一緒にいることが多いらしい。

『照くん、阿部くんおはよう。』

私がそう言うと、
え？って顔した2人が私を見る。

｢｢はっ？！彩ちゃん｣｣

『はい、彩です。』

そんな2人の顔が面白くて
思わず笑ってしまった。

｢彩ちゃん髪切ったの？似合うね～！｣
って褒めてくれる阿部くん。

さっきの説明をしようとしたら、
照くんが言うんだ。

｢うん！ほんとに似合う！彩ちゃん短い方がいいよ！｣

………あ、なんか1個、呪いが解けた気がした。