好き、嫌い、好き (ページ17)

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冷蔵庫に鶏肉はないから、
ベーコンでケチャップライスを作って
卵の用意。

『翔太～』
｢なにー。｣
『トロトロor昔ながら。』
｢いつも通りで～。｣
『またかよ！トロトロにしてよ！』
｢お代取りましょうか？｣
『すみません、やらせて頂きます。』

ふっかの店ではトロトロオムライスばかり
作ってるから、包むやり方は
あまり得意ではない。
そしてそれを知ってる翔太は
いつも包むほうを要求してくる。

なんとか包み終わり、後ろを振り向くと
こちらを覗き込む翔太。

『うわぁ！！』
｢お前相変わらず包んでる時の顔面白いのな。｣
いつもの独特な笑い方をしながら、
私のオムライスを持ってリビングに
戻って行った。

心臓バックバクするし！
あっ、さりげなく失礼な事言ってるし！

ちょっとプンプンしながらリビングに戻ると
美味しそうな顔して食べる翔太。

色々助けてくれる翔太に
まあそのくらいの悪態は許してやるか。
と思いながら対面に座って、
私はケチャップライスを食べる。

｢お前のオムライス美味いな。｣
『それはよかった。こんなもんでいいならいつでも。』
｢あの3人にも色々作ってやってんだろ？｣
『あー、しょっぴー大好き3人組ね。』

1度翔太と涼太と朱音と、
あのうるさい後輩3人組と
遊んだことがあって、その時から
あの3人は翔太が大好きなのだ。

｢女の部屋に3人で乗り込むなんて全く…。｣
『あなたも割と入り浸って……。』
｢じゃあ来るのやめようかなあ。｣
『すみません冗談です。』
｢こっちも冗談だわ。また飯作ってもらわなきゃ。｣

当たり前だろうと言わんばかりの顔をして
ふっと笑う。

｢またいつでも呼べよ。すぐ来るから。｣
『さすがに甘えすぎじゃない？』
｢他に甘える男でもいんのか？｣
『あ、いや、そういうわけじゃ…。』
｢…まぁ、もしいても、俺にしか素直に甘えられないだろうけどな。｣

そんな自信満々な言葉に
図星を突かれてケチャップライスを
噴き出しそうになる。

｢彩、今日大学は？｣
『あるよ、午後からだけど。』
｢あー俺もだわ。その前に1度帰るか。｣
『それがいいね。のんびり準備した方がいいし。』

｢彩、とりあえず髪のセットさせろよ。｣
『は？』
｢ポニテ飽きた。｣
『え、やだよ。だって…。』

照くんが1番似合うって言ってくれたのに。

｢今日は気分転換。どうせ職場では結ぶんだろ。｣

翔太の言葉に
素直には頷けないけど、

このまま翔太に任せてみようかな。