一瞬の夢をあなたと。 (ページ34)

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わからない。ページ34

side purple

オフィスで、翔太と2人、コーヒーを飲んで。

外の景色を眺めていた。

青｢なあ、ふっか。あいつ…もしかして重ねてる？｣

紫｢…たぶんな。｣

数年前、突然いなくなった照が可愛がってた後輩。
もうすぐ付き合うのかな？と思うくらいラブラブではあったと思う。

だが、彼女は照の前から姿を消した。

風の噂で、別の男と結婚した、と聞いた。

それを聞いた照は
荒んでいったし、夢も諦めた。

ダンサーとしてせっかく有名になったのに、
｢もう踊れない。｣
その一言を残して引退していった。

仲間だった俺達も、一緒に引退して
今の会社を興した。

俺らみたいに潰れないように、
夢を叶えられる人が増えてくように。

青｢もしかしたら、出会った時から重ねてたかもな。見た目はなんか、似てるし。｣

紫｢ああ、小柄で可愛らしい感じな。｣

Aちゃんはたしかに地味目だけど、可愛いと思う。

でも…

紫｢意地になってるだけにも見えるし、恋愛で好きって感じでもないし。目を覚まさせなきゃダメかな。｣

青｢…でも、これで無理にちんちくりんが出てったら、多分またあいつ…。｣

紫｢それ。そこが問題。｣

同じことを繰り返す訳にはいかない。
…でも、今のままじゃあまりにも2人に酷だ。

2人には愛があるけど、種類が違う。

このままじゃ、どっちもしんどくなるだけだ。

青｢2週間だけ、ちんちくりんに頑張ってもらって。あとは約束なんだからとっとと出てけって俺が言えばいいんじゃね？｣

紫｢一番無難だな、それが。、｣

その2週間が、彼女を壊す結果にならなければいいのだけれど…。

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『ひ、か…る…くん…やめてっ…』

黄｢やだ。出てかないって言うまでやる。｣

『わかっ、たから、やめ、…おねがい…。』

黄｢…わかった。じゃああと少しだけ頑張って。｣

『やだっ、ひか…る…んぅ。』

黄｢キスだけでこんなになるくらい、俺のこと好きなんだから、離れたら大変だよ？A｣

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もう、照自身が壊れてることに、
俺らは気づかなかった。

気づいてたら、Aちゃんはあんなに傷つかなかったのかな。