一瞬の夢をあなたと。 (ページ32)

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これはなんだ？ページ32

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注文したあとも、俺は指の震えが止まらなかった。

正直、、さっきの岩本くんと康二が怖くて仕方なかった。

岩本くんは確かに元々顔が厳つめではあるけど、本当は可愛い人なんだって知ってるし、むやみに睨む人じゃないのも分かってる。

康二はいつもニコニコしてて。本当に優しさで溢れてる人。…なのに…あんな男らしいやつだったのか。

金田……泣いてたって…
あいつが、泣くんだ。

好きな物や人にしか、興味のない、あいつが。

ん？…岩本くんのために、泣いたの？
俺は岩本くんに視線を向けた。

じーっと飲み物を見つめ、動じない。

青｢…照、、お前どーすんだよ。｣

黄｢決まってんだろ、そうそう放り出すかよ。｣

紫｢でも、Aちゃんがどう思うかは…｣

黄｢何してもやんない。Aは俺が面倒見るって決めてるんだ。｣

なんで、そんなに固執する？
妹なんだろ？

だからこそ、あいつに惚れてる男にはやれないってことなの？

黒｢…あの…。｣

俺が言葉を零すと、みんながこっちを見た。

黒｢金田は、俺の友達です。…どうか傷つけないでください。お願いします。｣

あいつがまた泣いたらどうしよう。
あいつがまた消えたらどうしよう。

俺を友達と言って、笑ってくれたあいつが

笑わなくなったら、どうしよう。

橙｢めめ。｣

康二がコーヒを持ってきてくれてた。
俺の前に湯気が立ちこめる美味しそうなコーヒーが置かれた。

そして俺の頭を撫でた。

橙｢…傷つけるつもりは一切ない。やから、めめはAのこと、支えてやって欲しい。頼むな。｣

さっきとは違う優しい微笑み。

黒｢…わかってる。支えるよ、俺が。｣

橙｢おっ！さすがめめ！男らしいなあ！｣

黒｢うるせぇよ…おい！髪ぐしゃぐしゃにすんな！｣

金田にとって最善が早く見つかるように
祈るしかないんだ、俺は。