一瞬の夢をあなたと。 (ページ31)

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涙は武器か？ページ31

side Orange

黒｢…な、なんであいつが泣くの？｣

橙｢俺も理由はわからん。…でも、照にぃ、Aとなんかあった？｣

黄｢…え？さっきだって、そんな話してないし。朝も普通……。｣

橙｢A、俺ん所で居候したいって。｣

｢｢｢｢は？｣｣｣｣

みんな目を開いて俺から目を離さない。

もちろん照にぃが、Aを傷つけるとか考えてへん。
やって、ほんまに優しい人やし、照にぃがAの話をする時はほんまに愛おしそうやもん。

橙｢ちゃんと照にぃと話し合えとは言うといた。俺は別にあいつ来ても問題は無いけど、照にぃは納得しとる？｣

黄｢……。｣

橙｢みんなも、照にぃんとこ住むの心配やったろ？願ったり叶ったりやろ？…俺はあんな風に泣くあいつ、もう見た無いねん。｣

紫｢こ、康二、でもお前、前に付き合ってたんだろ？｣

黒｢は？！！｣

青｢い、いいのかよ。元カノ家置いて…新しく彼女とかできないぞ？｣

橙｢はは、今はAの方が大事やから。｣

未練なのかもしれん。
ちゃんと最後まで守れへんかったから。

黄｢…だめ。｣

紫｢ひ、照？｣

照にぃを見やれば、
見たこともないほど怖い目をしとる。

好きな女のため、、というよりは、
大事な、妹を取られへんようにしとる。

黄｢あいつは、俺のだから。｣

橙｢でも俺は、あいつが好きやから。女として。｣

俺の言葉に、照にぃは顔を歪めた。

橙｢お兄ちゃんとして、あいつを心配なのはわかった。やけど、俺とは違って女として見てへんなら俺に渡してくれへん？｣

黒｢康二…、本気なの？｣

橙｢本気。俺に渡したら、もう手放す気ないから。…ああ、、めめ待たせてごめんな。注文、聞くで。｣

俺の言葉に、みんな放心して。
めめは、震えた指でコーヒーを指した

橙｢はーい、ブレンドコーヒー了解です。じゃ、少々お待ちください！｣

俺が注文を受け取り、戻ろうとすると
俺の腕を照にぃがとった。

黄｢……絶対、渡さない。｣

橙｢…おん、わかった。やったらAと話し合って決めて。俺は、どっちでもええねん。照にぃなら安心やし。女として、見てへんのやから。｣

嫌味っぽかったかもな。
まぁ実際そうやけど。

なぁ、照にぃ、俺わかっとんで。

あいつの気持ち、知ってて見ないふりしとるやろ。

……残酷やな、照にぃ。