一瞬の夢をあなたと。 (ページ26)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:8,778 hit

わかっていてもページ26

side blue

最近の照は美味しそうなお弁当持参。

赤｢相変わらず美味しそうだね。｣

黄｢うん。A、料理上手いからマジ助かる。｣

そう言いながら、ニコニコ笑顔で
咀嚼中の我らが副社長。

緑｢ふふっ、新婚さんみたいだね。｣

黄｢じゃあ今度はハートのハンバーグでも入れてもらうか。｣

桃｢照ばっかずるいよー！俺にも作ってってお願いしよ！｣

そう言ってスマホを出す佐久間に

黄｢だめ。俺専用なんで。｣

と、鋭い目で釘を刺す照。

……俺は何を見せられてるんだろう。

青｢…全然良くない。｣

紫｢どうした、5歳児。｣

青｢おい、顔デカ。｣

紫｢頭がでかいだけですぅ。何拗ねてんだよ、お前は。｣

青｢照も、阿部ちゃんも、佐久間も…ちんちくりんに毒されていく。｣

紫｢仲良いのはいいことじゃん。｣

青｢……まだ確証も持てないのにさぁ。｣

紫｢それこそずっと持てないよ、でも今は平和なんだから受け入れれば？｣

青｢目黒にも怒られるし…。｣

あのあと、目黒はブチ切れ寸前とも言える顔で

黒｢あいつのこと侮辱しないでください。そんな女じゃない。｣

なんて言われてしまい、何も返せなかった。

あいつと関わってるやつがみんな、
あそこまで庇うんだからいいやつなんだろう。

だけどだ。
何かあってからじゃ遅いわけで。

分かってても、誰か一人くらいは
疑ってないといけないと思う…。

直接あいつに攻撃しようとはしてないだけ
褒めていただきたいよ、俺は。

？｢まぁ気を張るのはいいけど、ほどほどにしとけよ。｣

そんなことを言いながら俺の前に現れたそいつは
口に何かを突っこんだ。

青｢んぐ？！｣

黄｢今日の卵焼きめちゃくちゃ旨いから特別に1つおすそ分け。｣

…甘めの卵焼き。優しい味。

青｢照。ちんちくりんに、次はしょっぱいのって言っとけ。｣

黄｢えー、俺は甘い方が好きなのになあ。｣

青｢ネギ入りがいい。｣

黄｢俺が食えねえだろうが。｣

……照が傷ついて欲しくない。
前みたいにお人好しを発揮して
傷つけられるとこなんて見たくもない。
だから、ちんちくりん、お前は
みんなに言われるようなやつでいてくれ。

青｢…美味いじゃん。ちんちくりんのくせに。｣

黄｢ははっ、翔太が褒めてたって言ったら、A喜びそう。｣

青｢じゃあ言うな。あいつは敵だ。｣

俺の言葉に苦笑いを浮かべて、
照は愛しそうに弁当箱を片付けてた。