好き、嫌い、好き 4 (ページ8)

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side 翔太

目黒を目の前にして言いたいことは
たくさんあるけれど
でも、彩が言いたいことが伝わるのが
1番の優先事項。

彩が目黒含め、康二、ラウールを大事に
してるのはよく知っていたしね。

そして彩がいなくなったあと
目黒は俺に頭を下げた。

「翔太くん、すみませんでした。あんなLINE送るのも、キスするのも、全部だめだったのに、誘惑に負けました。」

目黒が紡ぐ言葉がどれも嘘じゃない。

「なぁ、目黒。」

「はい。」

「お前は彩の彼氏に今でもなりたいか？」

「....なりたくないって言ったら、きっと嘘になります。」

「ははっ、素直だなお前。」

俺が笑うもんだからビックリして顔を上げた目黒。

「別にそれは仕方ないんじゃね？.....ただ、今までみたいに可愛い後輩みたいには接してくれるかはわかんねえよ？」

「.......はい。分かります。」

「....それでも、彩といたいか？」

「ラウに言われたんです。きっと今、彩は俺の事で泣いてるって。」

正解。ラウール正解。

あいつは本当に無邪気なだけじゃないから
怖いやつだなぁって思う。

「うん、泣いてたよ。自分のせいだって。」

「俺のせいだって言われた方が楽でした。そう考えたら.....俺が離れるって言ったのは間違いだなって思えもして.....でも本当にそれが正しいか分からないから、今日ここに来ました。」

『目黒蓮って真っ直ぐなやつなんだ。嘘つけなくて、でも、本当に一生懸命で優しいやつなんだ。』

いつだったか、そんなことを言っていた彩。

ほんとだな。彩。
真っ直ぐすぎて、俺がこいつだったら
彩とセフレにならずに向かい合ってたことだろう。

「お前があいつをまた傷つけないなら、彩の後輩で居てやってくれよ。」

「しょ、うたくん、俺また暴走するかもしれないんすよ？」

「その時はお前をボッコボコに殴るからご安心を。俺だけじゃなくて、彩を大事にしてる奴らからも喰らうから気をつけろよ？あいつを大事に思ってるのは形は違くても沢山いんだよ。」

「え、いや、それは.......今でもされてもおかしくないんで。」

「あいつもお前と2人きりになることはしないだろうし。まぁ、可愛い後輩でいれるなら俺からは何も言うことねえわ。」

「.......翔太くんは、俺が嫌いじゃないんですか？」

「彩が大事にしてる人を、俺が嫌いになることはこれから一生ない。」

俺の言葉に、目黒だけじゃなくて
その場にいたふっかも佐久間も目を見開いた。

俺の愛、なめんなよ。