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カランカラン♪
いつ聞いてもレトロなベル。
この音は好きなのに、
今日は聞くのが憂鬱な14:30
約束の30分前に着いた私たち。
新年でも開いてるのは毎年のこと。
ふっかパパ元気だなあ。
｢彩、大丈夫？｣
ふっかと阿部くんが心配そうに
聞いてくれて、
｢彩、無茶しちゃだめだよ。｣
さっくんが悲しそうな顔してる。
『ごめんね、心配かけて。もう大丈夫だから。』
「それならいいけど、てか、どうした？顔見せに来たのか？」
『あー.....。』
「目黒からお呼び出し受けまして。」
私の代わりに翔太が答えた。
「あら、まじか。」
「俺もご指名受けたから一緒にやって参りました次第であります。」
「なるほどね、目黒も大胆だね。しかも場所はここ。」
「殴られても仕方ないって言う覚悟が見えるね。」
「えー、ぼーりょくはんたーい。」
さっくんはケラケラ笑いながら
止めようとしている。
『.......。上手く話せるといいんだけど。』
「最初は俺なんも言わないから。二人で話した方がいいっしょ。」
「翔太カウンター座ってれば？」
「そうするわ。」
「彩、こっちの2人がけでいい？」
阿部くんが、カウンターから程よく離れた
席を指定してくれて、私はおずおず座った。
「大丈夫。彩ならちゃんと話せるから。」
阿部くんが私の頭をポンと軽く叩いて、
優しく笑ってくれたから、少し不安が取れた。
カランカラン♪
ベルの方を振り向けば、
いつもの長身イケメン。
表情は暗くも明るくもない。
相変わらず、意志の強い目だった。
「呼び出してごめん。翔太くんもありがとう。」
蓮の低い声が店内に響く。
『ううん、大丈夫。』
「とりあえず、彩と話せ。俺と話すのは後な。」
翔太が言うと、こちらへどうぞー！！
と、わざと明るい声でさっくんが誘導してくれた。
「.......風邪、うつってない？」
『.......蓮からはもらってない。』
「え、風邪引いてたの？」
『はい。バカは引かないはずなんだけどね。』
「お互いにね。」
ははっ、と笑う蓮に少し私も笑えた。
「.......彩の気持ちを無視してあんなことしてごめん。」
『え、いや、うん。それはやめてほしかった。』
「ですよね。」
『でも、私もなんも分かってなかったから。嫌な気持ちにさせてごめん。』
私の言葉に、蓮は首を振って
「彩の気持ちも、考えも、わかってて俺の気持ちを押し付けた。だから彩は悪くない。」
そうじゃないよ、蓮。
蓮だけ、悪いんじゃないよ。
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作者名：SNOWSNOW
| 作成日時：2020年2月21日 23時
