好き、嫌い、好き 4 (ページ11)

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インターホンが鳴ると

そこには翔太がいた。

思ってたより遅い時間だけど、
翔太は帰ってきてくれた。

ドアを開けば、優しく笑ってくれて。

でもどこか疲れてる顔だった。

私が思ってる以上に頑張らせてるんだな。
そう思うと申し訳ないの。
ほんとに、ごめんね、翔太。

そんな私のほっぺを握り、伸ばしてくる
イタズラな翔太の手。

『いひゃい、よ。』

「痛くしてんだよ、何心の中で謝ってんだよ。」

なんでそこまで分かるようになってんだ…
なんでそこまで、私を好きでいてくれてんだ…

「あのさぁ、お前にはここまでやらないと分からないからやってんの。確かにみんなとお前は違うよ。でもそれは、間違いじゃねぇ。信じらんないもんは信じるな。でも、あいつらは信じとけ。お前のことが、大好きな人達の集まりだよ。」

……うん、分かってる。

「…朱音に話せる？」

『え？』

「お前が抱えてるもの。家族のこと。話せる？」

私は、話したくない。
あの日と同じ思いをしたくない。

大好きな、朱音を

嫌いになりたくないっ…。

「そこを乗り越えないと、お前は変われないから。それはお前がわかってるだろ？」

うん、知ってる。
わかってる。
私と朱音の違うところを
ちゃんと、わかってないと
何も変えられないって。

でも、それは怖いよ、怖いんだよ。

「……俺はお前を嫌いにならない。他のみんながお前を嫌いになって俺は絶対にならない。それでも、怖いか？」

『……嬉しいけど、怖い、よ。初めて出来た親友なんだよ。』

心を許した。
ほっとけなかった。

私が守りたいと思った朱音。

「そんな大事な人、ほっとくな。ちゃんと、お前の気持ち伝えなよ。」

私は、怖いけど

ここから変わるために、コクリと頷くしか無かった。

「朱音はお前が大好きなんだよ。それを忘れるな。」

翔太のその言葉に、

私は勇気を貰って朱音にメールをした。

【明日話したいことがある。】

その言葉にすぐ既読が着いて、
OKと言うスタンプが返ってきたら。

「彩、お前はちゃんと向き合う時が来たんだよ。」

翔太にそう言われて、私はたまらず抱きついた。

そのまま、2人で約束の時間の2時間前まで
ぐっすり眠った。