第１話 普通の日常 ページ8
海沿いにあるとある小さい田舎の町。
すると、町に広がる大きな山から２つの声が聞こえてきた。
「「行ってきまーす」」
木のトンネルのような坂道を、白と緑色の制服を着た女の子と、黒い地味な学生服を着た男の子が下ってきた。
「じゃあ、また夕方ね」
「うん、お兄ちゃんも気をつけてね」
シルバーの自転車にまたがった男の子は、女の子に手を振りながら町の商店街の方向に坂道を下っていった。
女の子も男の子とは逆方向に、坂道を上っていった。
白色と緑色の制服の女の子・白花乃音(しらばなのん)は、立花学院中等部三年生。
三年一組の学級委員長をしている。
乃音は耳につけたイヤホンでお気に入りの音楽を聴きながら校門をくぐった。
そして、中等部棟の２階、三年生の教室に入っていく。
席に着くと、前の席に座っていた橙色の長髪の女の子が体を向けてきた。
「乃音、おはよう」
「うん…！ 絵都ちゃんもおはよう。今日早いね」
乃音は女の子に満面の微笑みを向けた。
女の子の名前は、橙上絵都(とがみえと)。乃音の幼馴染みの“１人”だ。
「ねえねえ、乃音」
絵都に声をかけられ、乃音は教科書などを机の中になおしながら「んー？」と声を出した。
顔を向けると、絵都はなぜか真剣な表情をしていた。
(あ、また“あの質問”だ……)
乃音は心の中で身構えた。そして、絵都がこれから言うことを静かに聞く。
「今日の朝、何か変な夢、見なかった？」
ほら、やっぱり。
乃音は一瞬、目を瞬きすると、にっこり微笑んだ。
そして、いつもの決まり文句を言う。
「うぅん？ 見たかもしれないけど、覚えてないかな？」
「そう……？」
絵都は３回ほど確認してきたが、乃音が「覚えていない」と毎回言うと、諦めたのか、最後にこう言ってきた。
「じゃあさ、夢で何か覚えてることがあったら教えてくれる？」
「うん！ 分かった！」
乃音が満面の笑みで答えると、絵都はホッとしたのか席を立って、教室の外へ出て行った。
絵都がいなくなると、ふぅと小さく息を吐く。
(また嘘言っちゃったなぁ……。本当は全部、覚えてるのに)
そう思いながら黒板の真上に掛かっている時計を見た。
8時13分。もうすぐ20分間の朝読書が始まる。
絵都も帰ってきた。
前の席に静かに座った絵都を見て申し訳なく思う。
ごめんね、と心の中で呟きながら朝読書用の本を開いた。
変な終わり方……。
次回、全員(登場人物)が出ます。
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晴空 碧 (はれぞら あおい） - この小説を書く所にログインすることができなくなってしまい、急に投稿できなくなってしまいました。 今、別の小説を投稿しているので、そちらに移ってもらえれば、幸いです。 本当にごめんなさい。 (7月21日 14時) (
レス) id: 9667935504 (このIDを非表示/違反報告)
晴空 碧 (はれぞら あおい） - 少し遅くなっちゃってすいません。コメント欄を見た方は、絶対に読んでください。 (7月21日 14時) (レス) @page33 id: 9667935504 (このIDを非表示/違反報告)
晴空 碧（はれぞら あおい） - 初コメント、ありがとうございます。 心配してくれてありがとうございます。 これからも頑張ります！！ (2022年11月13日 19時) (レス) id: 2e76746853 (このIDを非表示/違反報告)
涼雲 キル(すずくも キル) - お怪我は大丈夫ですか？投稿楽しみにしています！ (2022年11月11日 6時) (レス) @page11 id: 7ef55adddd (このIDを非表示/違反報告)
晴空 碧（はれぞら あおい） - コメント、よろしくお願いします！ (2022年11月1日 19時) (レス) id: 2e76746853 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：晴空 碧（はれぞら あおい） | 作成日時：2022年10月30日 4時
