第９話 珍しい ページ30
翌日、乃音達が通っている学園は休日だった。
ちょうど祝日と学園の創設記念日が重なったからである。
久しぶりの平日の休みになんだか皆浮かれ気味で、クラスメイトも休みのことばかり話していた。
昼休み。教室のあちこちから「明日休みだね」「楽しみだね」という声が飛び交う。
その中、端っこの席に座って本を読んでいた乃音の耳に入り、ため息を吐かせた。
(皆、休みのことばかり……。少しは課題のことも考えた方がいいのに……)
確か、担任の先生が「明日の休みには五教科からたくさん課題を出すぞ」と朝の会の時に言っていたような気がする。
その時は皆、「えーやだー」と不満の声を上げていたが、今はそんな不満の欠片すらない。
(こりゃ課題のこと忘れてるな)
乃音はそんなクラスメイト達に呆れながら、あと数ページで終わる本に栞を挿み、机の中になおした。
席から立ち上がろうとすると、ちょうど教室に帰ってきた絵都が「乃音、待って！」と乃音を引き止めた。
「どうしたの、絵都ちゃん？」
乃音がそう呟きながら振り返ると、絵都もホッとしたように「あのね」と話し始めた。
「明日の休み、皆でお出かけしようだって、幼馴染で」
「へぇ……。ちなみに誰提案？」
乃音は「どうせ羽月だろう」と思っていた。
しかし、絵都はきょとんと首を少し傾けて「違うよ」と言った。
「いつもみたいに羽月じゃないんだよね。なんか優安と達矢の提案みたいだよ」
「え、そうなの……！？」
乃音は信じられなかった。
乃音達は大体、自分の考えを主張したりしない。理由は、羽月がよく提案をするからだ。
数日前、一緒に昼食を食べようと、乃音を誘ったのも羽月だった。
それは昔から変わらないことで、なんとなく「幼馴染組のリーダーは羽月なんだな」と思っていた。
だから優安と達矢が提案するなんて珍しい……、と乃音は考えていた。
「あの二人が自分から提案するなんて珍しいね。多分だけど、達矢くんはその考えをもっと良いものにする派なのに……」
「でしょ？ だから羽月も面白いと思ったみたいだよ。『だったらやろう』だって」
そう苦笑しつつ話していると、絵都はふと目を外に向けた。
「まぁ、あの二人…乃音のこと好きだからねぇ……」
そう絵都が呟くと、乃音は首を傾げた。
「絵都ちゃん、なんか言った？」
「いや！ なにも？？」
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晴空 碧 (はれぞら あおい） - この小説を書く所にログインすることができなくなってしまい、急に投稿できなくなってしまいました。 今、別の小説を投稿しているので、そちらに移ってもらえれば、幸いです。 本当にごめんなさい。 (7月21日 14時) (
レス) id: 9667935504 (このIDを非表示/違反報告)
晴空 碧 (はれぞら あおい） - 少し遅くなっちゃってすいません。コメント欄を見た方は、絶対に読んでください。 (7月21日 14時) (レス) @page33 id: 9667935504 (このIDを非表示/違反報告)
晴空 碧（はれぞら あおい） - 初コメント、ありがとうございます。 心配してくれてありがとうございます。 これからも頑張ります！！ (2022年11月13日 19時) (レス) id: 2e76746853 (このIDを非表示/違反報告)
涼雲 キル(すずくも キル) - お怪我は大丈夫ですか？投稿楽しみにしています！ (2022年11月11日 6時) (レス) @page11 id: 7ef55adddd (このIDを非表示/違反報告)
晴空 碧（はれぞら あおい） - コメント、よろしくお願いします！ (2022年11月1日 19時) (レス) id: 2e76746853 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：晴空 碧（はれぞら あおい） | 作成日時：2022年10月30日 4時
