気づいてください早乙女さん

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任務上、俺としのぶさんは恋人同士。


だから普通に逢引している雰囲気を出すために着物を買いにきた。


だって鬼殺隊に入ってから着物なんて何年も着てないし、そもそも身長がすごく伸びたからもとあったのなんて着れない。


しのぶさんは着物あるらしいけど、これを機に新しいのを買いたいらしい。


し「早乙女さ…Aさんは、どう思いますか？」


『ん？』


しのぶさんのこと？


そりゃもちろん可愛くて綺麗でかっこよくて優しくて…


し「着物の色です。私に似合う。」


ああ、そっち。


『しのぶさんは何でも似合いそうだからなぁ。でも、やっぱりここはしのぶさんの髪色に合わせて紫色はどうでしょうか。』


落ち着いた色の方がしのぶさんの綺麗さが分かるからね。


し「そうですか、では探してみましょう。」


そして紫系の着物を探していると、ある一つの着物が目に入った。


それは、店の隅に置かれた着物。


ずっと買われてないのか、少し埃を被ってる淡紅藤の着物。


蝶が描かれている。


蝶は幼虫から成虫に美しく姿を変えることから、女の人の美しさを表していると言われてる。


それと、読み方から「長」という意味で長寿の意味も込められてるらしい。


この着物、しのぶさんが着るためだけにあるみたい。


こんなに綺麗なのに、誰も買わないんだ。


『あの、しのぶさん。あれはどうでしよう。』


そう言ってその着物を指す。


し「あれですか…綺麗ですね。私が着てもいいのでしょうか。」


『はい、着物もしのぶさんに着てもらえれば嬉しいと思いますよ。』

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