百六十一話 何度目かのケンカ… ページ12
総司「またねーみんな」
「またねー！」
「またお話してねー」
Aはひきつりながらも
なんとか笑顔を保って子供達を見送った。
そして、その姿が
完全に見えなくなると──…
A「……いつまでそうしてるつもりだ」
総司「えー…放した途端に
殴りかかるつもりなんでしょ？」
背中から回されてみぞおちの前で
がっちり組まれたその手は
力を緩める気がまるで感じられない。
ぐ…っ！
A「……それは
放してみなければ分からぬだろう」
もちろん殴ることを否定しない。
握りしめた拳は己の役目をきちんと理解し
いつでも準備は出来ている。
総司「殴られて確かめたくはないよねー。
ほんと物騒なんだから…
子供達が認めた美人さんが台無しだね」
A「っ…どこから見ていた！？」
総司「美人だけど胸ないねって
言われてる辺りからかな？
こればっかりはさすがのAくんも
どうしようもないよねー」
──ブチッ…！
A「くっ…放せ！！この鬼畜が！」
ぐぐっ…！！
その腕の中でもがくけれども
拘束された己の腕の自由は利かない。
総司「そんな細腕じゃあ…どうやったって
僕から逃れられないよね」
A「なめるなよ！…ふんっ！！」
──バッ！
渾身の力を振り絞って身をよじり
Aはついに総司の腕から逃れた。
そして、すぐに距離を取る。
総司「チッ……小さいのに頑張るなぁ」
もう少しあのままで良かったのに、と
温もりの余韻に浸りながら
息をするように彼女の逆鱗に触れる。
ピシ…ッ
A「お前の言動には
常日頃から苛立ちが募っていた……
今日こそはその歪んで腐りきった性根を
叩き直して真人間に矯正しよう…！！」
──ひく…っ
総司「だったら僕は…小さいAくんを
叩いてこれ以上小さくしたら可哀想だから
軽く締め上げて伸ばしてあげようか？
上手くいけば背丈も伸びるかもね〜」
ゴゴゴ───ッ…！！
双方、刀の柄を握り
何度目か分からぬ一触即発の状況となる。
すると、やはりこの人が──…
土方「てめぇらは懲りずに毎日毎日…
いい加減にしやがれぇっ！！！」
…────キィーンッ！！！
「「っ…！」」
不穏な雰囲気を察知した
千鶴に呼ばれてやってきた土方の大声が
今日も屯所に轟いた。
毎日本当にご苦労なものだ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
続く
ラッキースケベ
斎藤一 風呂上がりの無防備な恰好で出くわすと説教＆襟巻でぐるぐる巻きにされる！なにゆえ？！
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亜紀野ユキ(プロフ) - リアさん» ありがとうございます(*´ω｀*)執筆意欲が俄然湧きました!! (2022年2月13日 16時) (
レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
リア - 個人的に男装でバレずに焦れる話が好きです。作者様が本当に書きたいものを読めればな〜と思っております。強いて言えばシリアスが好物です笑。この作品で何だか伊東さんが憎めずになってしまい、好きになってきましたwこれからも更新楽しみにしております♪ (2022年2月13日 13時) (レス) @page50 id: 99ed9645a2 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - ひなみさん» 貴重なご意見恐縮です!!悩ましいですが…ご容赦を(>_<)いずれ男装即バレのR.18アナザーストーリーをupするのでお許しを!! (2022年1月25日 19時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
ひなみ(プロフ) - はじめまして！薄桜鬼も愛されも好きすぎるのでこの作品も大好きなのですが、ＢＬは苦手なので早く女バレさせてほしいです…。読み手は女の子だと分かっていても登場人物は男だと思っているわけだから…どうしてもＢＬに見えてしまって…。でもお話は大好きです！ (2022年1月25日 19時) (レス) @page48 id: 81d9d42d97 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 律さん» どうもﾃﾞｽ!!(*^ω^) (2021年12月27日 12時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜紀野ユキ
| 作成日時：2021年9月18日 21時
