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十話 俺にとって千鶴は… ページ11

A「良かったな千鶴」


千鶴「はい!ありがとうございますっ!!」


総司「殺されずに済んで良かったね。
 でも、安心してるところ悪いけど
 そっちのきみの命は保証されてないよね」


また総司はからかうようにAに言う。

人を馬鹿にしたり貶めたりするのが
鬼畜と言うべき彼の楽しみだ。


A「お前はいちいち
 人の神経を逆撫でするんだな……」


本日何度目かの殺意が募る。

この短時間で個人を
ここまで嫌うのは極めて珍しい。


A「……千鶴の安全が
 確認できたのならば俺は満足だ。
 斬るなりなんなり好きにすればいい」


無論、ただ殺られるつもりはないが。


…────彼女は昔からそうだった。


歳はさして変わらないというのに、
遊ぶときは必ず千鶴を優先した。

たとえ自分が木登りや川遊びをしたくとも
彼女とともにままごとやお手玉をした。


自分は千鶴よりもお姉さんだから
この可愛らしい存在を
何があろうと絶対に守るんだ…と。


千鶴「そんな…Aさんっ!!」


近藤「おお、そうだ!
 きみにも聞きたいことがあったんだ」


A「何か?」


土方「お前は何者だ?」


A「……それは、どういう意味だ?」


鬼と気付かれてしまったのか…と思ったが
そんなことはないとすぐに思い直す。

大半の人間にとって
鬼とは、おとぎ話の中の生き物という認識で
実在すると信じる者の方が少ない。


土方「そのままの意味だ。
 相当な剣の実力があるようだが、
 何の目的で京に来た…?」


A「なんだ…そんなことか。
 俺の名は早乙女A。武者修行をして
 全国をあてなく旅してるだけで
 この地に来たのもただの気まぐれだ」


古くからの友人の千に
久し振りに顔を見せるつもりで訪れたが、
そこまで話す必要もないだろう。

Aは密かにそう思った。


総司「へー…きみ、Aくんっていうんだ。
 剣の腕は認めるけどさぁ…
 もっとご飯を食べた方がいいよ。
 体重が軽すぎるからね」


A「お前が俺をここまで運んだのか…。
 微塵も嬉しくないが、
 雪道に放置されなかったことに
 関してだけは礼を言っておこうか?」


そう言いつつも、総司に向ける
Aの視線は変わらず冷めたものだ。


か弱いものを見ると守りたいAと
人が困る様子を楽しむ総司では
反りが合わないのは至極当然のことで…


…────まさに犬猿の仲と言える。



**********


続く

十一話 ケンカの終息は…→←九話 もう一度大広間で…


ラッキー人物

藤堂平助 祭りに行ったら、手をつないで一緒に楽しんじゃお☆


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亜紀野ユキ(プロフ) - 彩豊さん» ありがとうございます(*´ー`*) (2022年10月26日 14時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
彩豊(プロフ) - こんにちは!凄くおもしろかったです!これからどんな展開になるか気になります_:(´ཀ`」 ∠):更新頑張ってください!応援してます☆彡 (2022年10月21日 19時) (レス) @page50 id: 72022c3b56 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 綵河さん» 薫くん良いですよね~♪僕も薫くんの生意気そうで寂しがり屋なところが愛らしいと思っています!!!!この小説でも早く登場させたいと思ってます!!!!!! (2016年8月10日 16時) (レス) id: f4bec4ec63 (このIDを非表示/違反報告)
綵河 - もっとたくさん薄桜鬼シリーズを書いてくれると読む気がわいてきます!ちなみに私は【南雲薫】の占いツクールを書いてくれると嬉しいです♪♪ (2014年3月31日 9時) (レス) id: 6ae65de84b (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 玲名さん» お世辞でも嬉しいです!!僕はとにかく小説を書くとき、いつも読者様たちの立場になったつもりで「どう書けば伝わるか」を考えながら書いています♪とはいっても、僕より素晴らしい作者様たちはたくさんいますが… (2013年12月16日 21時) (レス) id: 806d6ba1fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2013年2月3日 22時

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