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一話 武者修行の途中に… ページ2

辺りが夜の暗闇に
包まれる京の町並み。

雪がしんしんと降り続いて
美しくも凍えるように寒く、
道を歩く少年…──否、少女の体温を
徐々に奪っていった。


A「はぁ…っ…早く宿を探さなくては…」


白い息を吐きながら彼女は先を急ぐ。

己を見つめ直し、
もっと強くなりたくて始めた武者修行。


しかし本当は──…

風間家で起きた出来事を忘れたくて
今日まで続けているのやもしれない。


それは──…

信じていた存在から裏切られるという
幼い少女のAにとっては
あまりにも辛く苦しい傷痕だ。


A「えっと……ここ、何処だ?」


そうこうしているうちに、
Aは道に迷ってしまった。


夜の真っ暗闇の中──…

雪で視界が悪いにも関わらず
入り組んだ京の町をあてずっぽうに歩けば
こうなるのも当然だが。


そして、
しばらく歩き続けていると──…


「ヒャーッハッハッハァー!!!」


奇声のような不気味な笑い声が耳に入り
微かに血の匂いもする。


A「行くしかないな…」


ただ事でないと感じ取り、
Aは声のする方へ駆けて行った。

己の刀が届く範囲で
何か良からぬことが起きているのに
知らんふりなど出来はしない。



* * *



たどり着いた先にいたのは──…

死体らしきものを滅多刺しにしている
白髪頭で赤眼の狂った二人の男と
大樽の裏に隠れる男装した少女だった。


どうやらその子は
目の前の惨状に腰を抜かしたようだ。


A「大事ないか?」


「あ…っ、あなたは…?」


Aがしゃがんで声かけると、
少女は恐怖に彩られた瞳を彼女に向ける。


A「怖がらないで…俺は旅の者だ。
 それより……あれは何か分かる?」


白髪の男らを指差して訊ねると
少女は震えながらも首を横に振った。

Aは、その者らの雰囲気が
どこか自分と同じ“鬼”に似てると
密かに感じたのである。


すると──…

────ギロ…ッ


男の一人がついにA達を見つけた。

新たな獲物を見つけたと言わんばかりに
真っ赤な刀を振り上げて
また不気味な高笑いをする。


「いやぁあああっ!!!」


少女は恐ろしくなって目を閉じたが、
武者修行する中で幾度となく
修羅場をくぐり抜けたAは至って冷静。


…────キィーン…


振り上げられた男の刀を
自分のそれで弾き、その注意を逸らした。



**********


続く

二話 油断した時に…→←主人公の事情


ラッキー人物

藤堂平助 祭りに行ったら、手をつないで一緒に楽しんじゃお☆


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亜紀野ユキ(プロフ) - 彩豊さん» ありがとうございます(*´ー`*) (2022年10月26日 14時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
彩豊(プロフ) - こんにちは!凄くおもしろかったです!これからどんな展開になるか気になります_:(´ཀ`」 ∠):更新頑張ってください!応援してます☆彡 (2022年10月21日 19時) (レス) @page50 id: 72022c3b56 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 綵河さん» 薫くん良いですよね~♪僕も薫くんの生意気そうで寂しがり屋なところが愛らしいと思っています!!!!この小説でも早く登場させたいと思ってます!!!!!! (2016年8月10日 16時) (レス) id: f4bec4ec63 (このIDを非表示/違反報告)
綵河 - もっとたくさん薄桜鬼シリーズを書いてくれると読む気がわいてきます!ちなみに私は【南雲薫】の占いツクールを書いてくれると嬉しいです♪♪ (2014年3月31日 9時) (レス) id: 6ae65de84b (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 玲名さん» お世辞でも嬉しいです!!僕はとにかく小説を書くとき、いつも読者様たちの立場になったつもりで「どう書けば伝わるか」を考えながら書いています♪とはいっても、僕より素晴らしい作者様たちはたくさんいますが… (2013年12月16日 21時) (レス) id: 806d6ba1fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2013年2月3日 22時

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