百三十八話 酔っぱらいは面倒… ページ39
A「心配せずとも…
お前はちゃんと良い男だ」
新八「本当かっ!?」
A「ああ…面倒見が良く男気があって
同性からの支持が高く、政治に明るい
教養ある一面もお前の魅力だろう?」
新八「A〜っ!」
A「そこに惚れてついて来てくれる
女性は必ず現れるはずだ」
──とくとく…
A「不特定多数にモテたいなどと言わず
お前はお前の良さを分かってくれる
一人を見つけ出して生涯ただ愛し抜け」
諭すようにまっすぐに新八を見つめる
その表情は万人が見惚れるほどに美しく
菩薩のように後光が差して見えた。
新八「これか……?この飾らない男前さが
お前のモテる所以なのか…?
勝てる気がしねぇよ…うっかり惚れそうだ…」
A「そいつはどうも」
──とくとく…
新八「もうAでいいや…!
女になって嫁さんになってくれぇ…」
A「そう自棄になるな…ほら、飲め」
──とくとく…
やがて──…
新八「……ちと飲み過ぎた…厠に行ってくる」
A「分かった。足元に気を付けろよ」
新八が席を立ったのを好機として
Aは箸を進めて
料理に舌鼓を打ちつつ帰りを待った。
しかし、少しして不穏な気配を肌に感じる。
「おい!そこの娘」
「我々は誇り高い勤王の志士であるぞ?
こちらに来て酌でもせぬか!」
すっかり酔いの回ってる二人の浪士が
Aに絡んできた。
「ちょ…ちょいと困りますよお侍様!
他のお客はんに絡まんといてな…」
たまらず店主が間に入るが──…
「何だと貴様っ!我々を愚弄するか!?」
「手打ちにしてくれる!そこへ直れ」
「ひっひぃ…!」
あろうことか、男達は刀に手をかけた。
日頃からろくでもない連中だろうが
酒の力でより気が大きくなってる模様。
A「(永倉の酔い方など可愛いものだ…)
申し訳ありませんが…連れがおりますゆえ
ご容赦願えればと存じます」
店主に怒りの矛先が向かぬようにと
Aは席を立ち静かに頭を下げた。
「何をお高くとまっておる?
女は黙って男に媚でも…」
──ぐい…っ
ブンッ!
言い終える前に、
突然視界が反転して男は押し黙った。
Aに向かって伸ばした腕を
逆に取られて投げ飛ばされたのである。
…────ダンッ!!
叩きつけられた床から
天井を仰ぐことになっても男は
いまいち状況が理解できていない。
**********
続く
百三十九話 これが町人の認識…→←百三十七話 愚痴くらい聞こう…
ラッキー人物
原田左之助 夜になかなか寝付けなかったら添い寝してくれて…キャッ
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亜紀野ユキ(プロフ) - 美憂さん» 嬉しいです!!(*^ω^) (2021年10月28日 22時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
美憂(プロフ) - アニメにハマりこの作品にもハマってます! (2021年10月28日 21時) (レス) @page50 id: 35846edb09 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 夜桜桜愛さん» どうも(*´∀`)キャッ (2021年9月16日 12時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
夜桜桜愛(プロフ) - 続きが楽しみです!頑張ってください! (2021年9月16日 6時) (レス) id: 612a16ad5c (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 沖田めぐらさん» どうもデス(*´∀`)ノシ (2021年9月14日 18時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2021年5月29日 0時