百二十三話 もう容赦しない… ページ24
そして──…
思いのほか早く応援が来たようで
少しの暇もなく外が騒がしくなる。
少女達が不安げな顔をするが、
Aはただ「大丈夫…守るから」と
穏やかな笑みを浮かべていた。
しかし、頭の中はちゃんと切り替えている。
──ガチャ…
「くっ…おい!お前ら…
死にたくなければこちらへ来いっ!」
左肩から血を流し
一目で切羽詰まってることが分かる男が
抜き身の刀を手に蔵へやってきた。
少女達から悲鳴が上がり
恐れおののくのも当然のことだ。
A「うちが…うちが行きますから…
みんなにひどいことせんといてください…!」
「見上げた覚悟だ…来い!」
皆より一歩前に出たAの手を引いて
男が蔵から出る。
これで、彼女らの計略のほとんどが
仕上がったと言っても過言ではない。
犯人どもを少女達と引き離し、
Aはいつでも戦える状態だ。
「おいっ!新選組の無能どもぉ!!
てめぇらが乗り込んだせいで
女が一人無残に斬り殺されるんだぞぉ!!」
腕で拘束したAの首元に刃を当て
仰々しく男が叫んだ。
その大声に反応して
浅葱色の羽織の面々がはっと顔を向ける。
A (あの隊士達は一番組と三番組の……
ということは、まさか…!)
その見知った顔ぶれに
彼女の胸に嫌な予感が湧き起こる。
つまり、援軍とは……
総司「都合が悪くなったら
女の子を盾にして逃げるんだ?
ほんと浅ましいよねぇ…」
一「……下劣な」
そこには一番組組長の沖田総司と
三番組組長の斎藤一が刀を振るっていた。
そして、見たところ
討ち取られたり捕縛されてないのは
もうこの男だけのよう。
つまり…
こいつを押さえれば全てが終わる。
「うるせぇっ!良いか?!
てめぇら一歩でも近付いたらこの女を…」
──ザッ…
山崎「どうすると言うのだ?」
興奮した男の神経を逆撫でするように
山崎が一歩前に出た。
その視線はまっすぐにAを捉え
目で呼びかけている。
A (山崎殿…!
もう我慢する必要はないということか…)
総司「山崎くん…?」
その行動には、事情を知らない
新選組の者達も戸惑いを見せる。
「な、なんだと…?!」
A「そうどすなぁ…
うちにも聞かしてもらいましょか。
こん刀でうちをどうなさるおつもりやろなぁ」
そう、刃の先をつまんで
男に艶っぽい笑みを見せるAの瞳は
好戦的に光っていた。
**********
続く
ラッキー人物
原田左之助 夜になかなか寝付けなかったら添い寝してくれて…キャッ
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亜紀野ユキ(プロフ) - 美憂さん» 嬉しいです!!(*^ω^) (2021年10月28日 22時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
美憂(プロフ) - アニメにハマりこの作品にもハマってます! (2021年10月28日 21時) (レス) @page50 id: 35846edb09 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 夜桜桜愛さん» どうも(*´∀`)キャッ (2021年9月16日 12時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
夜桜桜愛(プロフ) - 続きが楽しみです!頑張ってください! (2021年9月16日 6時) (レス) id: 612a16ad5c (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 沖田めぐらさん» どうもデス(*´∀`)ノシ (2021年9月14日 18時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2021年5月29日 0時