五話 その頃の煉獄家 ページ7
【目線なし】
ここは古き伝統と格式のある
都内某所の立派なお屋敷……煉獄家。
そこでは、現在七歳の長男の杏寿郎が
まだ一歳になったばかりの
可愛らしい弟、千寿郎をあやしていた。
「よしよし！！千寿郎は良い子だ！！」
「きゃきゃっ！」
「うむ！可愛い！！」
病弱な母の傍らで弟の面倒をよく見て
少しでも手助けになればと彼は思っている。
それに、そんなことを抜きにしても
弟はとても可愛らしくて
ずっとそばにいたいほどに大切なのだ。
「杏寿郎……千寿郎が…弟が可愛いですか？」
布団の上でゆっくりと身を起こして
母の瑠火が問いかける。
「はい母上！大好きです！」
「母も、杏寿郎と千寿郎が大好きです…」
愛する夫によく似た顔立ちの
愛しい我が子がじゃれ合うのを見ていると
自然と口元がほころんだ。
じわりじわりと身体をむしばむ病の歩みに
瑠火は気付いている。
自分が死ぬその日までに
幼い我が子らに何を残せるのだろう？
毎日、そう自問自答して
それでも弱音を吐かぬように毅然とし
気高く美しく彼女は生きている。
炎柱であり頼りになる夫の槇寿郎がいるし、
竹を割ったような性格の杏寿郎ならば
間違った方向に傾くことはまずないだろう。
それでも、もし叶うならば……
彼らの成長する過程を
この目でもう少し長く見続けていたい…
「大好きですよ……杏寿郎、千寿郎」
どうか…涙が出ませんように……
命尽きるその瞬間まで
強い母でいられますように……
一縷の望みを澄みきった青い空へ託した。
＊ ＊ ＊
「…くしゅんっ！」
その祈りを受け取ったかのように
煉獄家から遠く離れた地で
一人の鬼幼女はくしゃみをした。
突然、人ならざるものとなってもなお
人の心を失くさずに生きて
愛する人の幸せを守ろうと少女は奮闘する。
「鬼も風邪ひくのかな…？」
「わうん？」
現在、彼女は人にはできぬことを
可能とする血鬼術の習得を目指し
まだ予測もできない未来に夢見ているのだ。
例えば──…
…─────不治の病の根治、なんて。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
続く
現在のご年齢は…
ヒロイン様 三歳
杏寿郎さん 七歳
ヒロイン様と煉獄さんは
四歳差でいらっしゃいます＼(´ω｀*)
原作の年齢に成長すると…
ヒロイン様 十六歳
杏寿郎さん 二十歳 …となります！
ラッキーアイテム
ピカピカどんぐり 伊之助に子分と認められます！
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亜紀野ユキ(プロフ) - 茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのかさん» そちらもご閲覧ありがとうございます(*^ω^) (2022年10月26日 14時) (
レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのか - リボーンの作品書いてたの作者様だったのですね！あの作品とても面白くて好きです！ (2022年9月28日 22時) (レス) id: 304b99e4d1 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - Zxcvbnm9090さん» (*´∀｀*)ﾎﾟｯ…ありがとうございます!!頑張りますb (2021年11月20日 12時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
Zxcvbnm9090(プロフ) - 鬼設定がまず面白い上に主人公のキャラが好きです！！推しのために貢ぐ笑最高でした！これからも楽しみにしてます！！ (2021年11月20日 9時) (レス) @page47 id: 2e6009ddad (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - フランとベルさん» ありがとうございます(*´ω｀*)ﾃﾚｯ (2021年11月13日 7時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜紀野ユキ
| 作成日時：2021年9月10日 17時
