三十四話 覚悟を決めろ ページ36
──ガラ…ッ
「母ちゃん、ただいま」
「炭治郎…!今までどこに行ってたの!?
どれだけ心配したと……あら…?」
炭治郎が戸を開けると、当然の事ながら
母の癸枝さんが夜に出歩いたことを叱る。
その最中、私に気付いてきょとんとした。
「こんばんは……私は旅の者です。
夜道で偶然こちらのぼうやと会いまして…」
軽く会釈してかいつまんで説明する。
「まあ…!炭治郎を連れてきてくださって
本当にありがとうございます。
何もないところですが、
どうぞ今日は泊まってくださいな」
「それは助かります…」
さすが……竈門家はとても温かかった。
いつもだったら叫びたいほどに
テンション上がっちゃうところだけど
今は元気が出ない……
* * *
その翌日──…
昨夜、珠世さんへ送った思いの丈をつづった
超長文の手紙の返事を待った。
そして、
【Aぽすとに荷物があります】
待ちわびた音声案内が耳に響いた。
すぐにアイテムボックスに移して
手元に召喚し手早く開封する。
“お手紙ありがとうございます。
Aさんの葛藤が痛いほど伝わりました。
どうかご自身を責めないでください。
優しいAさんにとって、さぞや
お辛い選択を迫られていることでしょう。
ですが、Aさんの中に目の前の人を
見捨てる選択肢はもともと無いのでしょう”
……ここまで読んで早くも泣きそう。
珠世さん…もう好き…!
言われてみれば、誰に何を言われても
やっぱり見捨てることは無理かも……
“私から助言できることは一つです。
もし、あなたの予知夢にとって
その少年の存在が必要不可欠ならば
覚悟を決めてください。
あなたの行動で変わってしまう未来で
苦しむ人々の不幸を業として背負うこと。
もしくは、そうならないために
歪みを最小限に抑える努力をすること。
どちらも辛く苦しいことになるでしょうが
私はAさんの意志を尊重します。
どうかご自愛ください”
まさに目から鱗が落ちた。
……そうか…!
私に足りないのは覚悟だったんだ。
炭治郎たちの運命を変えてしまったあとに
場合によっては原作においての
その役割を私が代わりにこなす覚悟……
炭治郎たちが鬼と関わらず
平穏に生きていける優しい世界のために…
そのしわ寄せを私が引き受ければ
万事上手くいくということである。
……──私に出来るかは激しく不安だけど。
**********
続く
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亜紀野ユキ(プロフ) - 茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのかさん» そちらもご閲覧ありがとうございます(*^ω^) (2022年10月26日 14時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのか - リボーンの作品書いてたの作者様だったのですね!あの作品とても面白くて好きです! (2022年9月28日 22時) (レス) id: 304b99e4d1 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - Zxcvbnm9090さん» (*´∀`*)ポッ…ありがとうございます!!頑張りますb (2021年11月20日 12時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
Zxcvbnm9090(プロフ) - 鬼設定がまず面白い上に主人公のキャラが好きです!!推しのために貢ぐ笑最高でした!これからも楽しみにしてます!! (2021年11月20日 9時) (レス) @page47 id: 2e6009ddad (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - フランとベルさん» ありがとうございます(*´ω`*)テレッ (2021年11月13日 7時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2021年9月10日 17時