【鬼滅の刃】人生ハードモードでも貴方の生存ルート追い求めます！【煉獄杏寿郎】

二十七話　意外と気が合う？ ページ29

その後──…


連れられた個室っぽい雰囲気の喫茶店で
私と珠世さん…そして、ずっと
無言で睨んでくる愈史郎さんでテーブルを囲む。

まあ、得体の知れない奴が
好きな人と話すなんて警戒するよね。


「改めまして、珠世と申します。
　以後お見知りおきを」


「は、はい！夜叉野Aです。
　共喰い鬼させてもらってます！」


いや……共喰い鬼させてもらってるって
何じゃい！？落ち着け、私！


「よろしくお願いします、Aさん。
　そして、この子は…」


珠世さんが愈史郎さんに視線を向けると
彼はやっと口を開いた。


「珠世様…！！やはり俺は反対です！
　得体の知れない…ましてや鬼を食らう鬼など
　珠世様に近付けたくありません！
　しかもとんでもない醜女です」


「愈史郎…！」


おい、こら……今なんつった…？


「醜女とはなんだ！！今は亡き両親が
　ご近所に自慢して歩くほど将来美人になるって
　期待されてたんだぞ、私はっ！」


テーブルを挟んで悪態をついた愈史郎さんに
殴りかかる勢いで身を乗り出す。

言われるかもと予測はしてたけど
実際に言われると腹立つ！

禰豆子ちゃんにとっての炭治郎のように
私には弁護してくれる身内がいないから
悲しいけど自己弁護してやる！


「ふんっ！醜女を醜女と言って何が悪い」


「そりゃあねぇ！…珠世さんみたいな美人を
　四六時中見ていたら目が肥えるのもわかるし
　彼女の謎めいた神秘的な美しさは
　他の追随を許さないだろうな！！」


アンタには負けるけど
私だって珠世さんのことが好きだ！


「あの…Aさん？」


その言葉に珠世さんは顔を赤くして
無表情ながらも愈史郎さんの肩が
ピクリと動いた気がした。

しかし、私は感情のまま言葉を続ける。


「割烹着姿も奥ゆかしいけど
　清純派ナース服も絶対似合うだろうね！
　なんか品のある匂いするし色っぽいし
　世が世なら国を傾けたほど悩ましい魅力だよ！」


「お前…！」


思わず素で熱く語ってしまった私の両肩を
愈史郎さんがぐっと掴んだ。

ヤバ……ヲタ女の
よくない語りグセが出てしまった…！


「よくわかってるじゃないか！！」


「はい…？」


「珠世様の魅力のわかるなかなか聡い奴だ！
　……少しはお前を信用してもいいだろう」


あ、そうか……

私も煉獄さんへの愛が重いのは自覚済み。

だからこそ、同じく
推しがいる愈史郎さんは言わば同志…！



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


続く

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