【鬼滅の刃】人生ハードモードでも貴方の生存ルート追い求めます！【煉獄杏寿郎】

十八話　不本意な通り名… ページ20

【Aの目線】


オスッ！おら夜叉野A！

先日、ついに鬼殺隊と遭遇して
斬られると思いきやなんとか乗り越えたぞ！

盗んだ日輪刀を握って、おらワクワクすっぞ！


……うん、バカなノリはやめよう。


日輪刀盗難から数週間が経過して
罪悪感はあったけど
これがあってよかったな…と感じてる。


なぜなら──…


「(なんちゃって)不知火ー！！」


「ぐあっ！」


「(見よう見まねで)昇り炎天ー！！」


「うが…っ！！」


現在、私は日輪刀を駆使して
遭遇した鬼を討伐する日々を送ってる。

マンガやアニメでエセ戦闘スキルを
身につけたヲタ女は意外と侮れない！


すると──…


「ぐっ……貴様…！鬼のくせに…
　っ……そうか、貴様が噂の鬼か…」


今さっき私に頚を斬られた鬼(の生首)が
納得したような顔をする。

なるほど…この鬼もあの噂を知ってるのか。


実は、あれから鬼殺隊発信で
私のあだ名が付けられたのだ。


“人を食らわず鬼を食らう鬼…
　気まぐれに人を癒す。
　しかし、けして気を許すな。
　斬らずに生かして捕らえよ”…と。


「……お前のことだろう？
　なあ、───“共喰い鬼”？」


食ってないし！狩ってるだけだし！


これって、日輪刀パクったことへの報復？

それとも…お館様なりの隊士に
不満を与えないように私を保護する方便？


まあ、呪いがあるかぎり逃げるけどね。


「これは…あのお方もご存知ですか？」


急に不安がよぎって
体の崩壊が始まってる鬼に問いかけた。

あの方とは、もちろん無惨である。


その耳に入ってたら…死あるのみ、では？


「はっ！末端の俺が知るかよ」


そう言うこの鬼は今にも消えそう。

その死を誰も悼んでくれない
本当に……鬼って空しくて悲しい生き物だ。


「どうか成仏してください」


静かに手を合わせた。


炭治郎のようにあそこまで
優しい気持ちでは送り出せない。

だけど、私も鬼に成り果てた身として
正直かなり同情している。


もし、剣術を習う機会があれば
痛くないように水の呼吸の干天の慈雨を
習得できるように頑張ろう。


「……ありが…と…」


その鬼は、消える直前…
最期に心から感謝してくれた。

ぽわんと私のお腹が膨れる。


感謝の心には鬼も人もない。

だったら私は、人を助けつつも
鬼にも穏やかな死を与えて成仏を願い
みんなに感謝されることを目指そう！


共喰い鬼……

────夜叉野A、本格始動だぜ！！



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


続く

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