十四話 不思議な鬼とな… ページ16
【目線なし】
ここは美しい枯山水の庭園が一望できる
大きな屋敷……鬼殺隊本部である産屋敷家。
先代が早くに亡くなったため
齢四歳で鬼殺隊の長…お館様となり
現在はまだ十一歳である輝哉が
とある報告のため柱に集合をかけていた。
「…──お館様に置かれましても
ご壮健で何よりでございます。
益々の御多幸を切にお祈り申し上げます」
「ありがとう、槇寿郎」
皆を代表して挨拶する炎柱に
輝哉が穏やかに微笑んだ。
幼さを感じさせない貫禄のある笑みである。
「では、まずは先日の報告を
今一度してくれるかい」
「「は、はいっ!!」」
お館様と柱が揃い踏みする中、
緊張した面持ちで二名の隊士は口を開いた。
「俺たちは任務で鬼を斬った後に
とある村でおかしな噂を聞いて
新手の鬼の仕業と思い討伐に向かって…
そこでとある少女に出会いました」
「妖しげな雰囲気の美しい娘でしたが
村で聞いた噂と一致していたので
鬼と断定して刀を向けたのですが…」
二人の報告をまとめるとこうなる。
その村では、美しい鍼灸医が
夜な夜な安価で治療してくれるとのことで
こぞって人々が集まった。
実際にその腕も確かで
ありとあらゆる身体の不調が改善され
多くの者が感謝した。
が、しかし──…
数名の男が村を去ったその娘を追って山へ入り
行方知れずとなってしまったとのこと。
それを聞いて、この二人の隊士は
妖しげな術で人を惑わし食らう
鬼に違いないと思い討伐に向かった。
結論から言うと──…
それは半分当たりで半分は外れだった。
その少女は確かに鬼だったが
人を食らわず、人を助ける…
────異質な存在であった、と。
ちなみに、行方知れずとなった男たちは
数日後に山中で無事に保護されている。
「何を馬鹿げたことを…!
貴様らも鬼に誑かさせたのか!?」
二人が報告を終えると
柱の一人が怒りのままに声を荒らげた。
「ち、違います…!
俺たちもこの目を疑いましたが、
あの少女は俺の治療をして
とある預言を残して去っていきました」
「預言…とは?」
隊士がこれ以上萎縮しないように
輝哉が優しく問いかける。
「えっと…始まりの呼吸の剣士の子孫が
南多摩郡の景信山で暮らしている、と。
俺たちには何のことかわかりませんが…」
一般隊士には──…
もたらされたその情報が鬼殺隊にとって
どのような恩恵を与えるのか想像も出来ない。
**********
続く
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亜紀野ユキ(プロフ) - 茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのかさん» そちらもご閲覧ありがとうございます(*^ω^) (2022年10月26日 14時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのか - リボーンの作品書いてたの作者様だったのですね!あの作品とても面白くて好きです! (2022年9月28日 22時) (レス) id: 304b99e4d1 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - Zxcvbnm9090さん» (*´∀`*)ポッ…ありがとうございます!!頑張りますb (2021年11月20日 12時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
Zxcvbnm9090(プロフ) - 鬼設定がまず面白い上に主人公のキャラが好きです!!推しのために貢ぐ笑最高でした!これからも楽しみにしてます!! (2021年11月20日 9時) (レス) @page47 id: 2e6009ddad (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - フランとベルさん» ありがとうございます(*´ω`*)テレッ (2021年11月13日 7時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2021年9月10日 17時