【鬼滅の刃】人生ハードモードでも貴方の生存ルート追い求めます！【煉獄杏寿郎】

十二話　預言しましょう ページ14

じーんと胸が熱くなり
意を決して口を開く。


「信じてもらえないでしょうが
　私は人を食べない鬼です」


そう言った私の顔を睨み付け
二人は「嘘つくな！」と言いたげだ。


「百聞は一見に如かず……ちょっと失礼」


「何を…！？」


私は怪我人の隣にしゃがんで
その足を凝視した。

すると、
青い光の点が何個か浮かんで見える。


おばあちゃんズの治療で学んだけど…

自己治癒能力を促進して治すのは青い光、
病気とか人の手を加えなきゃ
良くならないものを治すのは赤い光。

骨折は時間が経てば治るものだから
青い光が浮かんだというわけだ。


──トントン…トントン…


私は鍼を取り出して
戸惑う彼らを制止して鍼を打った。

治療中は危ないから動かないでね！


すると、鍼を打たれた方は
折れた骨が繋がる感覚を受けて
すぐに身体の変化に気が付いた。


「痛くない……！」


「まさか…そんな……」


目の前で起きたことに
二人は大いに混乱している。

鬼に刀を奪われて死ぬ覚悟をしたら
無害ですと言われて
治療されて本当に治って……無理もない。


けど──…


「……少なくとも───鬼は悪。
　その認識は改めない方がいいでしょう。
　絶対に隙を作ってはいけません」


私は二人に向かってそう宣言する。

このことで鬼に気を許して
いいヤツな二人に死んで欲しくなかった。


本当は、これがきっかけで
私を鬼殺隊で保護してもらえたら嬉しいけど…

今はまだ右も左もわからないし、
無惨の呪いが解けていないと
私の居場所がヤツにバレてしまう。

保護されて一ヶ所に留まって
鬼殺隊の迷惑になるのだけは避けなくては！


だから、今はただ
私という存在を知っていてください。


「一つ、預言します。
　始まりの呼吸の剣士の子孫は…
　南多摩郡の景信山という山で
　家族で暮らしています」


「え？」


一般隊士は始まりの呼吸なんて
聞いたこともないだろうね。


というか、今が原作と
どれだけ離れてるのかわからないから
もう間に合わないかもしれない。

けど、今が原作の時間軸よりも前なら
情報を提供するだけで
救える命があるはずなんだ。


ここで無一郎くん達の存在を
鬼殺隊が認識して交流を持ってくれたら…

ご両親が死ぬことも有一郎くんが
死ぬことも回避できるかもしれない。


それで、剣術の才が開花して
二人揃って柱になる未来が広がるかも…？


そんな温かい世界が私は見たい。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


続く

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